韓国の庶民を苦しめるヤミ金融(下)
◆ヤミ金融に手を伸ばす多くの芸能人
ヤミ金融を利用する人々の中には、無職の女性や非正規職の人が多い。銀行やクレジットカード会社、投資会社などいわゆる「正規の金融機関」からの融資を受けられない金融疎外階層だ。所得が上下して一定ではないため、借金を返済する能力が低いと見て融資が下りない、というわけだ。
一部の芸能人も、この部類に属する。B銀行の融資担当者は、「(一部の芸能人は)所得と担保が確実でない以上、信用貸出はほとんど不可能だ」と語った。こうして見ると、大衆的人気が落ちた後、生計のため事業資金の名目で周辺に手を伸ばし、ヤミ金融の罠にはまる芸能人が多い。これを狙って、集中的に芸能人の周囲をうろつく私金融業者もいるという。
また大学生も、ヤミ金融の主な消費階層に浮かび上がっている。ソウル市江南区ノンヒョン洞に事務所を持つS氏(37)は、「1日に入る融資依頼のうち、30‐40%は学生からの依頼。クレジットカードのローンや携帯電話の延滞料金などを返済するために小額融資を受けるケースが多いようだ」と語った。
◆高利貸の罠
ヤミ金融の罠に一旦はまると、抜け出すのも容易ではない。悪徳私金融業者の場合、年利数百%もの高利で金を貸し、借金を簡単に返済できないようにする、という悪どい手段も使っている。
金融監督院庶民金融支援室のチョ・ソンモク副局長は、「収入が安定的ではない人々に3カ月未満の短期融資を行い、10日に1度の割合で元金の15%に当たる利子を徴収、これを延滞したら、払えなかった利子に相当する額を元金に上乗せする、という手法が代表的だ」と語った。
融資を受けた人が守れない償還計画を押し付け、これを破った場合、自動的に利子を元金に含ませる複利方式で融資額を増やし続ける、というわけだ。ここに、年率300‐600%にもなる殺人的な利子率を適用すれば、わずか1000万ウォン(約94万円)の融資が4‐6カ月後には5000万ウォン(約473万円)に膨れ上がることもある。ヤミ金業者のユン某氏(40)は「やろうと思ったら、どんなに返済したくても元金を返せなくすることもできる」と語った。
◆政府対策の実効性に疑問
こうした私金融の被害を防ぐため、政府は早くから消費者金融活性化対策を練り上げてきた。ヤミ金融業を登録済みの消費者金融という形で養成することを目的として2002年10月から貸付業法を施行したのが、その代表的な例だ。最近では、与信金融業法の改正により大手の消費者金融業者を第2金融圏に格上げしよう、という議論もなされている。庶民がもっと安全に私金融を利用できるようにしよう、というのがその趣旨だ。しかし、07年の1年間だけでも私金融による被害が前年より11.6%も増加しており、政府の対策が効果を発揮しているのかは疑問だ。
チョン・チョルファン記者
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