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10/04-12:28--銭湯のれんに空風　原油高追い打ち　県内入浴料値上げへ　大人450円　全国最高水準

　長年の利用者離れや原油高の影響で、岡山県内の銭湯が存廃の岐路に立たされ、入浴料金の値上げを余儀なくされている。営業施設は４０年前の２割まで激減し、生き残りを懸け全国最高水準の大人４５０円を県に申請。県は７日に審議会を開き、２年１０カ月ぶりの改定へ乗り出す。銭湯は、公衆浴場法で「公衆を入浴させる施設」と規定され、保健所の許可を得て営業。県が物価統制令に基づき、料金の上限を０６年１月から大人（１２歳以上）３８０円、中人（６歳〜１２歳未満）１５０円、小人（６歳未満）６０円に定めている。庶民の社交場、娯楽として長く親しまれ、１９７０年には１９３施設が営業していた。しかし、自家風呂の普及や数種の浴槽を備えた複合施設、サウナなどの進出で利用が低迷。８４年には１０９施設、９９年には５１施設に減少した。さらに、原油価格高騰で湯を沸かす燃料代が２、３倍近くかさみ、経営を直撃。後継者不足、施設老朽化で廃業するケースも多く、今年８月時点では７０年の２割の３８施設にまで落ち込んだ。このため、県内の経営者でつくる県公衆浴場業生活衛生同業組合（前原武雄理事長）は、料金の上限を大人４５０円、中人２００円、小人１００円に上げるよう県に申請。県も改定の必要性を認め、７日に０５年１２月以来となる料金審議会の開催を決めた。審議会は非公開で、学識経験者や利用者、業界代表ら委員９人が協議する。全国的には、今年に入り１７都道府県が上限を引き上げている。９月時点の全国平均料金は大人３８２円、中人１４５円、小人７１円。申請通り改定されれば、大人と小人は東京都、神奈川県などと並び全国で最高タイ、中人は最高となり、利用者離れに拍車を掛ける可能性もある。前原理事長は「業界全体の存続のため、申請に理解をいただきたい。ただ、各施設ともカラオケの設置や観劇の開催など、一層の自助努力を図る必要がある」と強調。県生活衛生課は「住民の日常生活において、公衆浴場は保健衛生上必要とされている。審議会の議論を尊重して考えたい」としている。

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