「医療崩壊」をテーマにした「第2回県民公開医療シンポジウム」(西日本新聞社など後援)が4日、飯塚市のコスモスコモンで開かれ、約250人が参加した。
帝京大学医療技術学部の大村昭人・主任教授が「医療立国‐崩壊から再生へ」と題して講演。大村教授は、市場原理の導入と社会保障費の抑制で医療の荒廃を招いた米、英国の失敗例を紹介し「医療は確実な成長産業であり、経済活性化の鍵。医療費は『国の投資』との発想の転換が必要だ」と訴えた。
後半では、「医療崩壊」を話し合った。地域の開業医らの連携で時間外や救急の小児医療を実践する飯塚病院の岩元二郎・小児科部長は「これからの地域医療は、医師と住民などの草の根レベルでの連携が必要」と主張した。
また昨年から、キャンペーン記事「地域医療を考える」の取材を続けてきた本紙の田中伸幸記者は「医師は患者の声に耳を向け、患者側も医療でできる幅を知ることが重要」と話した。
=2008/10/05付 西日本新聞朝刊=