衆院選出馬について記者団の質問に答える東国原知事(4日午後9時32分、東京・港区で)=関口寛人撮影 |
自民党では、次期衆院選への不出馬を表明した中山成彬・前国土交通相の後継として、宮崎県の東国原英夫知事の衆院宮崎1区への出馬を期待する声が強まっている。
全国的に知名度の高い同氏の擁立は、党の勢いにつながると見ているためだ。
東国原氏は4日夜、東京都内で記者団に、「(出馬は)今のところ考えていない」と述べた。一方で、「県民の皆さんが『宮崎を代表して国で汗をかいてこい』ということなら、十分話し合いたい。『自民党をどげんかせんといかん』とも思っている」と語り、出馬に含みを持たせた。
自民党の菅義偉選挙対策副委員長は同日、横浜市で記者団に、「地元の調整を見守るが、東国原氏が自民党から立候補すれば、こんなに力強い候補はいない。地域主権をうたう麻生首相とも、政策的に共鳴する点が大きい」と強調した。
年金記録改ざん、農薬などに汚染された事故米、後期高齢者医療制度(長寿医療制度)を巡る混乱、中山氏の失言など、このところ政府・与党への風当たりは強まっている。東国原氏出馬を期待するのも、「衆院解散・総選挙になかなか踏み切れないような流れを変えたい」(幹部)という思いがあるからだ。
当の東国原氏はこの日、東京都内でテレビ番組を収録したが、待ち構えた記者団の質問には答えず、無言のまま車に乗り込んだ。ただ、これまでは、「(出馬の)可能性はゼロではない」「県民、県議、県職員の皆様が国に行って宮崎の言葉を届けてこいと、汗をかけというなら、その時に話し合わせていただきたい」と語るなど、出馬に含みを持たせている。
一方、同区に推薦候補を擁立する予定の民主党は、知名度の高い東国原氏の動向に神経をとがらせている。鳩山幹事長は4日、福岡県大牟田市での記者会見で、「(東国原氏が知事任期の)1期目半ばで国政に転出したら、県民の落胆は計り知れない」と述べ、出馬の動きを強くけん制した。
|