学校教育・性教育に対する不当な介入への対策連絡協議会
猛暑・連続の大型台風・地震と矢継ぎ早に到来する今年。これらを「乱開発への戒め」と受け止め、本気でその対応を考えなければならないと思うのです。被害を受けた方々には本当に心よりお見舞い申し上げます。
さて、10月23日(土)は、申立人8000人達成を記念して、「七生養護学校を支援する日野市民の会」「不当処分撤回!ゆきとどいた障害児教育の発展をめざす会」と共催で、『今、東京で何が起こっているのか』集会をラポール日教済にて開催しました。
約300席収容の会場なので、満席にしたいと願っていましたが、当日は都教育委員会が「日の丸・君が代」強制の通達を出した 1周年の日でもあり様々な集会が計画されていたので、声をかけると“参加したいけれど、○○集会に参加するので”と断られ、とても心配していました。
当日は200余名の参加者で、若干少なめでしたが、集会内容(伊沢けい子都議会議員の挨拶、俵義文さんによる講演「ここまで来た!東京の教育」、金崎前七生養護学校校長からのビデオレターや申立人・保護者からのメッセージ紹介、劇「あの日の保健室」、七生養護学校の変貌、各団体から)はどれも好評でした。 以下参加者の感想文・集会に寄せられたメッセージから、集会の様子を知っていただけたらと思います。
講演「ここまで来た!東京の教育」・・・講師 俵義文さん
●俵さんのお話を伺い、今の性教育攻撃と日の丸君が代強制、教科書問題がどのようなつながりがあったかよく分かりました。別々のことではなく、すべて根は同じ。グループを超えて益々連帯していこうと感じました。(M.T)
●俵さんのお話で、今日本がいかに戦争のできる国づくりに支配層がきゅうきゅうとして取り組んできているのか、パソコンに例えてハードとシステムはすでに整いつつある。そこで、ソフト面での人づくり、その為の教育への攻撃が着々とすすめられてきているのだと話されたが、ただやられるだけでなく、平和を求める闘いもそれに比例して大きくなってきているのだ、ということも納得できました。(T.M)
●俵さんの講演とても勉強になりました。特に戦争をする国になるためのハード、システム、ソフト、についてのお話で、今の社会の動きがよく見えてきました。(K.T)
●私は最初、この都教委による性教育の教材の取り上げは、性教育の事だけを考えたものだと思っていましたが、教育基本法の改正・憲法改正につながるとても大きな問題なのだということが改めて感じました。都にとっては教育基本法改正などに向けての1つの事にすぎないかもしれませんが、学校側はとても困っているということも実感しました。(K.S)
●東京都の教育全体にかけられている攻撃―日の丸・君が世の強制、つくる会教科書の採択、七生養護学校への攻撃―すべてが同じ根っ子のものであり、憲法・教育基本法改悪をめざす流れと同一のものである。「国家のための人殺しを正当化することは学校教育しか出来ない。」という俵さんの言葉が印象に残った。(S.A)
「・・ある首都を想定した、教育への許すことの出来ない暴力的介入を描いたフィクションです。・・」のナレーションで始まります。
●「あの日の保健室」の劇を見て、腸が煮えくりかえる思いでした。ひどいことを言われた養教の先生たち、処分されたり、大勢に囲まれて尋問された先生たち、どんなに苦しくて悲しい思いをしたかと思うと涙が出そうです。保護者の方、金崎先生も大変傷ついたことでしょう。(早く回復されることを祈ります。)学校という教育の現場で、人が最も大切にされなくてはならない場で、あってはならない人権侵害があったことに怒りを感じます。苦労して作った教材を勝手に取り上げるとは、ドロボーです。あり得ない!と思うことが、実際に起こっている。このことをきちんと心にとめていきます。攻撃が止まらない東京の養護学校ですが、私もできるだけのことをしたいと思います。負けるな〜!(T.H)
●寸劇はとても分かりやすかった。東京の教育・政治が私たちのものではなく、一部の人びとによって無法・不当に牛耳られようとしている。とても危機感を持った。でも、七生でがんばっている先生、七生からとばされた先生ともに出会って、頑張っている。自分たちのしてきた性教育が正しいとの確信と実践に裏打ちされた自負があるからだと思う。故に保護者や市民からも支持されるのだと思う。“性”を学ぶことは、人間らしく生き、生活するためにとても大切だと思う。(N.S)
●寸劇は、本当に当日の様子がよく分かり、怒りと悲しみを共有できたような気がします。
●劇は名演技、名役者で楽しみつつ、涙と感動もいただきました。超多忙な中、脚本など準備ありがとうございました。
●劇は改めて怒りを覚えました。七生での不当な教育介入は、その後の一連の攻撃を見れば一目瞭然ではないかと思いました。このことを広く訴え、民主的な子どもたちの教育権を守る運動を強化していきたいと思います。
●楽しさの中にリアリティがあり、元気になっていく集会でした。(セミプロの役柄でGood!)共に草の根からのメッセージをより多くの人に伝え、広げ、力にできるように頑張りましょう。(H.S)
●ご苦労様、具体的な弾圧の中身が見えて良かった。台本を印刷して、配布してください。“七生事件”と唱のように歌ってはいますが、そこで何が・どのようにされたのか、よく知らされていませんでした。差別と偏見がこの寸劇の中によく盛り込まれていました。大勢の人たちに知らせて、力を増々大きくしましょう。
●七生養護学校の事件は、明らかな教育基本法10条違反であり、指導主事の行動は地教行法違反であり、都議会議員の職権濫用にあたる。強力な裁判闘争を闘うためには十分な材料がある。 重層的な裁判闘争で都教委を追い詰めて行こうではないか。(S.A)
●劇に参加しながら、最後の養護教諭2人の話には目が潤んでしまいました。明るさの裏側にあるものを実感させられました。そして、七生の変貌の報告、すさまじいの一言です。いろいろな人が手をつないでいくことの大切さを実体験しました。胸が熱い!今、踏ん張らないと自分の行動に悔いが残ると思います。皆で手を繋ぎ頑張りましょう!(I.K)
◆青木悦氏(教育ジャーナリスト)
子どもに思いやりの心が育っていない」などと論評する人たちの、あまりに思いやりのないやり方に唖然とします。命の大切さを一番伝える性の学習を避け、あるいは禁止しておいて、命の大合唱に怒りを感じます。ごまかすな!子どもはみていますよと言いたい。ノーと言うおとなの姿を見せましょう!
◆小山内美江子氏(脚本家)
7月タイで開催された国際エイズ大会では、先進国の中で増加の激しさが見られる日本は、しっかりとした性教育をなぜしないと各国参加者から糾弾されました。性とは生きるこころ、全ての源です。やらないでどうしますか!
◆早乙女勝元氏(作家)
不条理はゆるさぬ、の声を発し続けなければなりません。子どもたちの人権は、黙っていては守れぬ時代です。
◆橋本紀子氏(女子栄養大学教授)
都教委の性教育・ジェンダーフリー教育への攻撃について、より多くの人に知らせ、学校だけではなく、地域にも子どもたちの性に関する学びの場を作っていく必要があると思います。医療関係者との協力、ネットワークづくりを視野に入れて。共に頑張りましょう。
◆浜林正夫氏(一橋大学名誉教授)
おそろしい世の中になってきたものだと、都教委の姿勢を見て、つくづく思います。「問答無用」とどなりつけた戦前の軍国主義者の再現ではないでしょうか。
◆堀口貞夫氏(中村病院 産婦人科専門医)
子どもたちが、自分のからだを取り戻す手助けしよう。医療・相談の場で見るような、心とからだが解離して他人を思いやることも出来ない大人にならないように。
◆堀口雅子氏(産婦人科医)
子どもたちの現状を見ると、子どもたちは犠牲者ではないかと思う。正しいことを、科学的に学ぶ事から、自分を守ることを知ってゆくのに。エッチな大人の情報を垂れ流しにしておいて、セックスをするなするなと言っても、それは無理だろう。自分達大人の視点で、自己の体験的性の認識で、幼い子ども達から性の正しい知識を学ぶ機会を奪うことはないだろう。臨床の現場から子ども達をみて、放ってはおけないと思う日々である。
◆丸木正臣氏
東京都の教育委員会が打ち出す政策は、反動的で、非科学的で将来何が生起するかはかりしれないものがあり、恐ろしいことと実感します。七生養護学校への不当な介入や歪んだ性教育の押し付けなど、教育を統制し、教育委員会が介入することなどおおよそありえないことだと憤慨しております。
◆三上満氏(看護専門学校校長)
「本当に都教委のやっていることは、常軌を逸しています。障害児にとって必要な性教育を、真剣に追求してきたことに対して、泥靴で踏みにじるようなやり方は決して許せません。集会の成功を期待します。
◆安日泰子氏(やすひウィメンズクリニック院長)
東京都は一体どうなっていくのか理解できません。世界の女性の人権感覚からもずれまくり(「ジェンダー・フリー」を廃止・・・)です。女性とすべての子どもを大切にする政治を取り戻してほしいです。
◆匿名(集会応援者)
日本の社会全体が、経済活動の自由を優先して過激な性描写やアダルト等を通じて人権侵害や実質的な人身売買を横行させているにもかかわらず、性教育の後退は学校・家庭・社会のすべてのレベルで大人が責任を放棄しているのと同じである。経済や物質的自由の誘惑に負けない(例えば性教育)の精神的強さとバランスを得られるような教育を進めなければならない。東京都教育委員会に代表される後ろ向き主義は方向を変えなければならない。
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