【東京】1972年の沖縄返還前に日米両政府高官が交わした3通の秘密文書の情報公開請求に対し、外務、財務両省は2日付で「対象文書の不存在」を理由に不開示を決定した。請求者の沖縄返還公開請求の会の原寿雄共同代表らは3日夜、東京都内で会見し、近く異議申し立てや取り消し訴訟を行う方針を明らかにした。
請求したのは71年6月12日付の秘密合意書簡など3文書。沖縄返還で軍用地の原状回復補償400万ドルを日本が肩代わりすることに合意した内容で、米公文書では開示されている。
外務省は不開示の理由について、通知書で「該当文書を保有していないため」と説明。財務省は「本件対象文書を作成又は取得した事実は確認できず、廃棄および国立公文書館移管の記録もなかった」と記している。
沖縄返還交渉をめぐる取材で国家公務員法違反の罪に問われた元毎日新聞記者の西山太吉さんは「米公文書で開示された文書には、両政府の代表者の印鑑が押されている。政府はむしろ不存在を立証しなければならない」と話した。
(琉球新報)
2008年10月4日