倉吉市水道局が市内のアパートに住む女性(61)に9年9カ月分の水道の基本使用料約9万円を請求している。市は、取水栓の開栓届けをしないまま10年も水道を使用していたのは、不当利得に当たると主張している。
新たに水道を使用する場合、取水栓の開栓届けを水道局に提出する必要がある。女性は、98年にアパートに入居した当初から水道が使えたため開栓の手続きをしていなかった。水道料金は家賃に含まれていると思っていたという。
今年7月、メーター機器の取り替え工事がきっかけで発覚。水道局側は「無断使用だ」としていた。
しかし、01年に同局職員が機器を取り替えた際には、使用に気づかなかった。女性は「(開栓届けに)気がつかなかった点はこちらのミスだが、水道局側にも責任はある。無断使用をしていたつもりはない」としており、過去2年間の基本使用料の支払いにしか応じない構えだ。【武内彩】
毎日新聞 2008年10月4日 地方版