▽昨年度決算 補助見送り響く
公立邑智病院(島根県邑南町中野)の二〇〇七年度の決算認定が三日あり、一億八千万円の経常損失を計上した。邑智郡三町が〇六年度まで続けていた自主財源による補てんを見送ったためで一億円超の赤字は一九九四年の開設以来初めて。一方、入院患者の増加などで医業収益は伸びており、業績と経常収支が連動しない決算となった。
▽3町、本年度から再開
本年度は三町で計約一億三千万円を補てんする計画。来年度以降は一定額だけ補助し、経営努力で今回発生した累積赤字を解消してもらう方向で検討している。
〇七年度決算は、この日の郡公立病院組合議会で認定された。収益十四億一千万円に対し、費用十五億九千万円で、経常損失は前年度の約六倍。累積では百九十三万円の黒字から一億八千万円の赤字に転落した。
一方、延べ患者数は前年度より9%増え、手術再開などでベッド稼働率が平均48%から60%に上昇したこともあり、医業収入は前年度より18%増えた。
三町が〇七年度の補てんを見送ったのは、医師不足による手術中止などで患者が減った〇六年度に収支が悪化し、補てん額が前年度より約七千万円増の二億七千万円に膨らんで各町財政を圧迫したため。「隠れ赤字」の実態を表に出して住民や関係者に周知する狙いもある。(馬場洋太)
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