全国知事会長の麻生渡福岡県知事が11月中旬、同県知事として初めて台湾を公式訪問することが3日、明らかになった。現職知事会長の訪台も初めて。産学でつくる「ロボット」「農産物」「観光」「人材」の4交流団を連れ、台湾最大の経済団体「三三会」(日本の日本経済団体連合会に相当)と会談、トップセールスで同県と台湾との経済交流の拡大を図る。
訪問団派遣は11月10日ごろから3日間の日程で、総勢約40人。安川電機社長の利島康司・ロボット産業振興会議会長やJR九州相談役の田中浩二・九州観光推進機構会長、花元克巳・JA福岡中央会会長など経済人も多数参加する。
訪問期間中、九州最大の青果卸「福岡大同青果」(福岡市)と「台北農産卸売市場」が、農産物の貿易促進を目的に業務提携の協定書に調印する予定。ロボット関連企業の技術発表、農産物や観光業者の商談会、県内企業が台湾から受け入れたインターンシップ研修生OBとの交流会なども計画している。
福岡県の2007年貿易状況をみると、台湾への輸出額は約3236億円で、中国、米国、韓国に次いで4位。台湾に進出する県内企業も増えており、同県と台湾の経済的結び付きは急速に深まっている。
同県には中国総領事館があるため、中国側の政治的立場に配慮し、これまで知事の訪台を控えてきた。
しかし、経済交流の面から自治体トップの訪台が近年相次いでいることや、県が友好提携している中国・江蘇省とは活発な交流を続けており、中国側の極端な反発は回避できると判断。台湾の馬英九政権発足後に中台間の本格対話が始まったことなども踏まえ、麻生知事は訪台を決断した。
=2008/10/04付 西日本新聞朝刊=