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個室ビデオ店放火:借金600万、戸籍も売る…小川容疑者

個室ビデオ店放火事件で大阪地検に入る小川和弘容疑者=大阪市福島区で2008年10月2日午後0時40分、内林克行撮影
個室ビデオ店放火事件で大阪地検に入る小川和弘容疑者=大阪市福島区で2008年10月2日午後0時40分、内林克行撮影

 大阪市浪速区の個室ビデオ店で15人が死亡、10人が重軽傷を負った放火事件で、殺人などの疑いで逮捕された客の東大阪市加納7、無職、小川和弘容疑者(46)が今年初めごろ、知人に「金がないから戸籍を売った」と打ち明けていたことがわかった。昨年春には、ギャンブルなどの借金が約600万円に膨らみ、自宅マンションも売却していた。大阪府警浪速署捜査本部は借金生活へと転落した小川容疑者が自暴自棄になっていた可能性もあるとみて、詳しい動機を追及している。府警は2日、小川容疑者を送検した。

 関係者によると、小川容疑者は同府門真市にある大手電機メーカーの正社員だったが、01年に退職。06年9月、母親から相続した同市の一戸建て住宅を約1300万円で売却し、借金返済の差額の約1000万円で府内の中古の分譲マンション1室を購入した。しかし、借金が重なり、数カ月後には消費者金融から極度額500万円の根抵当権を設定されるなどし、わずか半年後の昨年春に売却した。

 小川容疑者は以前から競馬などギャンブルにのめりこんでおり、マンションを売却する際、周囲に「消費者金融数社から約600万円の借金がある」と話していたという。

 その後に住んだ賃貸マンションでも、家賃が払えなくなり、今年初めごろに退去させられた。このころ、小川容疑者は知人に戸籍を売ったと打ち明けた。心配した知人に小川容疑者は「戸籍はまた返してもらう」と話し、借金のために一時的に差し出したことをほのめかしたという。

 戸籍売買は偽の養子縁組や偽装結婚など犯罪グループに悪用され、多重債務者が借金返済の一環として、使用を要求されることが多い。実際、小川容疑者の住民票が本当は住んでいない同府守口市や大阪市に移転させられていたと指摘する関係者もいる。

 捜査本部は小川容疑者の借金生活の実情が動機の解明につながるとみて、戸籍売買などを含めて詳しい事実関係を調べている。

毎日新聞 2008年10月3日 2時30分(最終更新 10月3日 10時21分)

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