中山成彬氏
「日教組の強いところは学力が低い」などと発言し、在任5日間で国土交通相を辞任した中山成彬衆院議員(65)=宮崎1区=は次の総選挙に立候補せず、政界を引退することを決めた。4日午後、宮崎市内で記者会見し、正式に発表する。これを受け自民党執行部は、宮崎県の東国原英夫知事を後継として擁立する方向で調整に入った。
中山氏は3日夜、宮崎市内の自宅でインターホン越しに朝日新聞社の取材に応じた。「総選挙に出ないのか」との質問には「はい」と答え、「後継は決まっていない。私から言うのはおこがましい。全くの白紙です」と述べた。
中山氏は国交相就任時の先月25日、報道各社とのインタビューで「成田空港の整備遅れは『ごね得』」「日本は単一民族」などと発言。その後に撤回したが、「日教組の強いところは学力が低い」との発言は撤回せず、同月27日、宮崎市の会合で「日教組をぶっ壊せ」などと日教組攻撃を繰り返した。これら一連の発言には与党内にも批判が広がり、28日に国交相を辞任した。
中山氏は当選6回。町村派。第2次小泉改造内閣で文部科学相をつとめた。妻の恭子氏は参院議員で拉致問題担当首相補佐官。
一方、東国原氏は3日夜、東京都内で記者団に「(中山氏側から私の)後援会にアプローチがあったみたいだ」と語り、後継への打診が内々にあったことを認めた。そのうえで総選挙への立候補については「県民、県議会、県職員の皆さんが『お前は、地方もそうだけど、国に行って汗をかいてこい』という要望があれば、ご意見をうかがって話し合いをさせていただかなければならない。政治を預かる立場としてそれは責務だ」と含みを持たせた。
また、選挙対策にかかわる自民党関係者は3日夜、東国原氏の出馬がほぼ固まったとの見方を明らかにした。
次の総選挙で宮崎1区には、民主や社民などが推す無所属の川村秀三郎氏(59)と共産公認の馬場洋光氏(39)が立候補を表明している。