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ソマリア 海賊、無法地帯への逃げ込み図る

2008.9.28 20:40
このニュースのトピックス中東

 アフリカ東部のソマリア沖で戦車や弾薬を積んだウクライナの貨物船が海賊に乗っ取られ、船員ら21人が人質になった事件で、貨物船が米海軍などの軍艦3隻に包囲されている可能性が高いことがわかった。上空には軍用機も飛んでいるという。AP通信などが伝えた。米軍も貨物船を目視で捕捉していることは認めているが、貨物船は「海賊の楽園」と呼ばれる北東部エイル周辺への逃げ込みを狙っているとみられ、緊迫した状況が続いている。

 AP通信は衛星電話での貨物船船長の話として、船員1人が高血圧で死亡したと報じた。事実なら事件に絡んだ初の死亡者となる。

 フランス通信(AFP)によると、海賊のスポークスマンを名乗る男は28日、貨物船からの衛星電話で「(身代金の)要求額は2000万ドル(約21億円)だ。3隻の軍艦に囲まれており、遠方にも複数の艦船が見える」と語った。

 3隻のうち1隻は、米海軍第5艦隊に所属し、多国籍艦隊としてソマリア沖をパトロールする駆逐艦「ハワード」。英BBC放送によると、第5艦隊の副報道官も、ハワードが貨物船から約8キロの位置にあるソマリア中部のホブヨ沖合に停泊していることを認めた。

 ただ、副報道官は米軍が事件に介入する可能性については明言を避けている。事件を受け、ロシア軍がミサイルフリゲート艦を現場に派遣しており、AP通信は「(ハワードは)ロシア艦船到着までの監視役とみられる」と伝えた。ロシア艦の到着まで約1週間かかるとみられている。

 一方、米CNNテレビは隣国ケニアの海運関係者の話として、海賊が身代金額を引き下げたと報じた。海賊は当初、3500万ドル(約37億円)を要求していたが、(1)乗組員が米国人ではない(2)接岸できなければ荷降ろしができない−などの理由で減額したという。

 海賊の目的地とみられるエイルは、海賊ビジネスが“主要産業”の無法地帯。BBCによると、現地では小型パソコンにスーツ姿の海賊用会計士や交渉人が闊歩(かつぽ)し、街には人質用の特別レストランもあるという。(犬塚陽介)

 

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