栃木労働局が2007年9月、偽装請負を是正指導したキヤノンの宇都宮市の工場で働いていた宮田裕司さん(29)=同市=が1日、偽装請負労働を経て、期間工の直接雇用後に合理的理由なく雇い止めにされたのは違法として、地位保全と今年9月以降の月給(約28万円)の支払いを求める仮処分を東京地裁に申し立てた。
申立書によると、宮田さんは06年3月から同工場に約2カ月間派遣。その後請負で働きき昨年10月、期間工として直接雇用されたが、8月末で契約が更新されない雇い止めになった。偽装請負などの違法状態で働いた期間の雇用は無効で、キヤノンとの間に正社員としての雇用契約が黙示的に存在したと主張している。
宮田さんは栃木労働局の是正指導につながる内部告発にかかわっており「雇い止めは制裁目的の不当な行為」と批判している。
キヤノン広報部は「期間が満了した有期雇用契約を更新しなかった。理由は本人に書面で伝えた」としている。