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【Re:社会部】透明性があってこそ…

2008.10.3 23:23

 厚生労働省が進める「医療安全調査委員会」の設置が袋小路に入りつつあります。委員会設置は、医療事故や医療ミスをめぐり、患者側と医者側が対立する事例が増えたことを受けた措置です。

 国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会の医療版と位置づけられ、医師ら専門家が第三者の立場で医療事故の原因究明を行います。医師に重大な過失があると判断されれば、委員会から警察に通知する仕組みになっています。

 設置の議論が足踏み状態になっているのは、刑事罰に結びつく可能性がある点です。

 医療界の一部から「刑事訴追の可能性がある限り、医療現場に不必要な萎縮(いしゅく)を招く」と反発の声があがっています。

 ただ現状では、医療事故が起きた場合、患者が病院の説明に納得できなければ、最後は裁判を起こすしか原因究明をたぐり寄せる手段がありません。以前より情報公開が進んだとはいえ、患者が病院の対応に不信感を抱き、関係がもつれる事例は少なくありません。 「患者側は事故の真相を知りたい。それが分かってこそ遺族感情も和らぐことを理解してほしい」。医療事故被害者の遺族でレセプト開示活動をしていた勝村久司さんはこう話します。患者側の「なぜ…」という思いや、不信感を払拭(ふっしょく)するためにも透明性の確保が必要だと改めて感じます。(虎)

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