【タイ、カンボジア】タイの英字紙ネーション(電子版)によると、3日、タイ国境に近いカンボジア領内の山上にあるヒンドゥー寺院遺跡プレアビヒアの周辺でタイとカンボジアの兵士が銃を発砲し、両軍に数人の負傷者が出た。
プレアビヒアはカンボジアのクメール王国が11―12世紀に建立したとされる寺院遺跡。タイとカンボジアが領有権を争い、1962年に国際司法裁判所がカンボジア領とする判決を下したが、がけの上にありタイ側からしかアクセスが困難な上、周辺の国境が未画定のままで、両国間の火種となっている。今年7月に世界遺産に登録されたことをきっかけに、これを不満とするタイ、同月の総選挙を有利に進めたいカンボジアの両国が兵員を増派し、遺跡周辺で兵士数千人がにらみ合う事態となった。両軍はその後、外相会議の合意を受け、周辺地域の兵力を削減していた。