天皇家を題材にした映画「天皇伝説」など2作品の上映を予定していた横浜市開港記念会館(同市中区)が使用許可を取り消したのは違法だとして、映画監督渡辺文樹氏(55)=福島県二本松市=が3日、管理者の中区に対し不許可処分の取り消しを求めて横浜地裁に提訴した。
訴えによると、中区は9月、10月中旬の2日間の会館使用を許可したが、10月1日付で「過去に(使用を許可した際に渡辺氏が)会場や周辺の管理ができていない状況があり、指導に従わない恐れがある」として取り消した。
渡辺氏は1990年度の日本映画監督協会新人奨励賞を北野武監督とともに受賞し、天皇暗殺をテーマにした作品も発表。「天皇制のあり方について問題を提起する場を閉ざすことになる。『表現の自由』を侵害する違法な処分」と主張している。
中区は「過去にポスターを電柱に無断で張ったことがあり、市の条例の取り消し理由に当たると判断した」と説明している。