福岡市中央区の同市立こども病院・感染症センターが同市東区の人工島に移転される問題で、同病院の患者家族らでつくる市民団体は3日、移転の賛否を問う住民投票条例の制定を求めるために集めた署名簿を、市内7区の選挙管理委員会に提出した。患者家族によると、署名数は3万2096人分に上るという。
同団体の西頭京子代表は署名提出後に「人工島は市中心部から遠く、通院しづらい。市や市議会には、私たちの移転への不安を受けとめてもらいたい」と話した。
市選管は重複する署名がないか、押印漏れがないかなどを20日以内に審査する。請求に必要な署名数(有権者の50分の1、約2万2400人分)を満たしていれば、同団体が10月末にも吉田宏市長に条例制定を請求し、吉田市長が市議会に条例案を提出する。
同市議会は9月定例議会で、病院移転先の用地取得に関する議案を可決している。1980年に開院した同病院は老朽化が進み、市は人工島に新病院を建設する計画。
=2008/10/03付 西日本新聞夕刊=