現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 社会
  4. 事件・事故
  5. 記事

1泊1500円、漂った孤独 ビデオ店放火の犠牲者(2/2ページ)

2008年10月3日18時31分

印刷

ソーシャルブックマーク このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

 マンションを管理する不動産会社も、平川さんのことを知らなかった。契約書類にも見当たらないという。ただ、7年前にマンション入り口に張り出されていた入居者一覧のコピーが残っていた。そこに「平川隼人」とあった。これを見つけた不動産会社の社員は「住んでいたんでしょうね。いつまでいたのか、どこに移ったのかはわかりません」と不思議そうに話した。

 重軽傷者も10人いる。その中にも、家族と連絡が途絶えていた人がいる。

 40代の男性は病院へ搬送された際、一酸化炭素中毒で心肺停止状態だった。心拍は再開したが、いまも危険な状態が続いている。

 火災の夜、近畿地方の山間部にある男性の実家に、連絡を受けた親族が集まっていた。親族の話し合いは約1時間半続いた。時折、女性の興奮したような大きな声が漏れ聞こえた。

 親族が帰った後、重体の男性の父親(78)がぽつりとこぼした。「長男は事情があって大阪に出た後連絡がなく、どんな仕事をして、どこに住んでいたかわからない。気が動転しています」 

前ページ

  1. 1
  2. 2

次ページ

PR情報
検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内