発表日:10月3日
ビジネス:発表資料
NEC、問題の発生を未然に防ぐ探索型業務の遂行状況を可視化する技術を開発
探索型業務の遂行状況を可視化する技術を開発
〜ホワイトカラー業務の見える化により業務効率の向上に貢献〜
NECはこのたび、複数の作業者が業務を遂行しながら業務課題やタスクを具体化・詳細化していくような探索的な業務において、その遂行状況や課題を可視化し、問題の発生を未然に防ぐ探索型業務管理技術を開発しました。
本技術は、探索的な業務を遂行する際、作業者の自律的な業務遂行を妨げることなく業務管理者に対してその遂行状況を「見える化」し、現在、製造現場を中心に普及が進んでいる「見える化→問題の顕在化→改善」という業務改善サイクルを、探索的な業務が多いホワイトカラーの職場にも適用可能にするものです。 本技術により、業務遂行時の問題発見の遅れや漏れの発生を未然に防ぎ、組織の作業効率を向上できるようになります。
近年、ビジネスを取り巻く環境の変化は日々激しくなっており、ビジネスパーソンは環境の変化に迅速に対応しながら業務を遂行する必要があります。この傾向は、新商品開発やお客様対応など、業務の進め方の事前計画が難しく、状況に応じて業務を具体化・細分化する必要のある探索的な業務遂行の際に特に顕著に表れます。 従来、業務の進捗管理には、管理者が当該業務全体の課題や遂行状況を一括して集約管理する「集中型業務管理モデル」に基づくプロジェクト管理ツールが用いられていました。この手法は、管理者による状態把握が容易な定型的業務や事前の詳細計画が可能な業務では有効でした。 一方、お客様対応などの探索型業務は事前の作業予測が困難で、業務を進める中での細かい業務課題への分解や、関係者との連携が必要になることが多いため、業務の効率化には、最前線の業務遂行者が自分自身で自律的に業務課題を明確化し、遂行状況を管理する「分散型業務管理モデル」が不可欠となります。このような場合、個人型業務管理用のToDo管理ツールなどが有効ですが、作業者の業務の進め方がブラックボックス化されるため、問題の発覚が遅れがちになるという課題がありました。 こうした事態を防ぐため、集中型業務管理と分散型業務管理を併用する方法もありますが、個々の作業者は二重に管理されるため、次々と業務課題が発生する状況では作業者が業務を追いきれず、業務課題の一部が管理項目から漏れる、その状況が発覚しにくい、といった別の問題が発生しやすくなります。
このたび開発した「探索型業務管理技術」は、分散型業務管理と集中型業務管理の双方の利点を融合させた「分散・集中融合型業務管理モデル」に基づく業務管理技術で、主な特長は以下の通りです。
1.業務プロセス構造の動的管理により、事前計画困難な業務の管理を可能に 作業者が自律的に業務遂行する過程で発生する課題(タスク)やそこから派生するサブタスクを後から追加可能な管理モデルを採用することで、事前計画が困難な探索型業務の管理が可能に。分散型業務管理での作業者の自由度の高さを保ちながらも、関係者がサブタスクの内容や遂行状況を確認できるため、問題発見の遅れを未然に防ぎやすくなります。
2.業務軸で一元的に情報を管理・共有する「場」の概念を導入し、刻々と変化する業務プロセスの状況把握を可能に 業務遂行者が情報共有を行うための「場」の概念を管理モデルに導入し、刻々と変化する業務プロセスやその遂行状況を業務軸で集中的に把握可能に。次々と業務課題が発生する状況でも、業務に担当者が割り当てられていないなどの問題を管理者が把握できるため、業務遂行の漏れを削減できます。
3.作業者を軸とした業務横断的なタスク可視化により、作業優先度の判断が可能に 作業者が担当するタスクやサブタスクを業務横断的に把握するためのビューを提供し、個人がその時点で優先して実行すべき作業を判断可能に。また、場のタスクと個人のタスクを融合して管理することで、他の作業者の業務遂行状況に基づく個人の作業優先度判断が可能となります。これにより、作業者が複数の業務を並行して進めている場合に、他の作業者が待ち状態にならないように優先すべき作業を決めるなど、組織全体の業務効率を考慮した優先度判断が可能になります。
「場−タスク(サブタスク)−作業者」という概念に基づいた「分散・集中融合型業務管理モデル」の導入の結果、従来は困難であった探索型業務の遂行状況の集中的な把握と、自律的な実行タスクの適切な優先度判断が可能となります。これにより、作業の漏れ・問題発見の遅れを未然に防ぎ、組織全体での作業効率を大幅に向上できます。
NECでは今後、企業の知的生産業務の管理ツールとして本技術の早期の実用化を目指すとともに、SNSなど他のサービスとの連携も視野に入れ、企業内での業務の過程や成果情報を管理・共有し、活用するサービスとしてのソリューション化を目指していきます。
以上
■本件に関するお客様からのお問い合わせ先NEC 研究企画部 広報グループ URL: http://www.nec.co.jp/contact/

[2008年10月3日]
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