富士通が、パソコンなどの記憶装置として使われるHDD(ハードディスク駆動装置)事業の売却を検討していることが2日、分かった。売却先の有力候補として、HDD世界2位メーカーの米ウエスタンデジタルが浮上している。富士通のHDD事業は、HDDの市場価格下落で不振が続いており、売却で収益改善を目指す方向で検討している模様だ。
富士通のHDD事業は、08年3月期の連結売上高が3327億円と世界6位。しかし、デジタル家電やパソコンに内蔵されるHDDはメーカー間の価格競争が激しく、採算が悪化。同期の営業損益は数十億円の赤字となり、事業の抜本的な見直しが不可避となっていた。条件面で折り合えば、不採算のHDD事業から撤退して、利益率が高いシステムやサービス事業に経営資源を集中したい考えだ。
同社のHDD生産拠点は、長野工場(長野市)や子会社の山形富士通(山形県東根市)のほか、タイやフィリピンにある。【宇都宮裕一】
毎日新聞 2008年10月2日 19時16分(最終更新 10月2日 22時34分)