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パリ・モーターショー報告(上)

2008年10月3日

  • 筆者 大矢アキオ

写真ルノーのゴーン会長兼CEO写真メルセデスのチーフデザイナーが新型を解説する写真場所は恒例のポルト・ド・ヴェルサイユ見本市会場

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■みんなヘソの緒のごとく

 世界5大モーターショーのひとつであるパリ・モーターショー(パリサロン)が2日、報道関係者に公開された。4日から19日まで一般公開される。

 恒例のポルト・ド・ヴェルサイユ見本市会場に、今年は25カ国から362の出展者がリストに名を連ねた。国別では、地元フランスの229ブランドを筆頭に、以下アメリカ、日本、ドイツと続く。中国メーカーも3ブランドが参加した。

 ボクは8月頃から今回のパリで発表されるニューモデル情報を数えていたのだが、9月に入った頃には、完全なニューモデルやコンセプトカーだけで早くも30を超えてしまった。

 最も目立つキーワードは、間違いなく「ハイブリッド」である。国内3ブランドのコンセプトカーであるルノー『オンデリオ』、プジョー『RCハイモーション4』、シトロエン『イプノ』は、いずれもハイブリッド搭載をうたっている。とくにルノー『オンデリオス』とシトロエン『イプノス』は、ディーゼル車人気が高い欧州で近年実現が待望されてきたディーゼル・ハイブリッド搭載が自慢である。同時に、シトロエイツ製プレミアムもパリに“越境”して公開された。

 また、プジョー『プロローグ』は、来年発売される新型ミニSUV『3008』の、そしてメルセデスの『ファッシネーション』は同じく来年発表される新型Eクラスの予告版である。

 さらには、ランボルギーニ初の4ドア・スーパースポーツモデルも発表された。ちなみにスーパースポーツと断ったのは往年の4駆モデル『チータ』が4ドアだったからである。

■「駅前ショー」ゆえに気になること

 ちなみに前回の2006年パリサロンは約143万人が入場した。直近の5大ショーの中では、現在のところ最多だ。ただ、2007年の東京ショーは約8万6千人、2008年3月のジュネーヴ・ショーは約1万5千人、それぞれ前回よりも来場者が減少している。

 そうしたなかで今回のパリサロンは、原油高騰・世界金融危機が顕著になった今夏以降、初めての主要モーターショーになる。

 フランスのメーカーだけを見ても、26日ルノーが欧州で2千人の人員削減を発表し、30日PSAプジョー・シロトエンが年内にミュールーズ工場を11日間操業停止することを明らかにした矢先である。

 パリサロンは会場の門を出れば、いきなり普通の人々が住む街が広がる「駅前ショー」である。他国のモーターショー会場でも距離的に市街地に近いところは数々あるが、周囲のムードからして、つっかけサンダルで来場できる感覚はパリが群を抜いている。

 それだけに今回は、フランス人そしてヨーロッパ人のクルマへに対する最新の関心度をはかるバロメーターとなろう。

プロフィール

大矢アキオ

歌うようにイタリアを語り、イタリアのクルマを熱く伝えるコラムニスト。1966年、東京生まれ、国立音大卒(バイオリン専攻)。二玄社「SUPER CAR GRAPHIC」編集記者を経て、96年独立、トスカーナに渡る。自動車雑誌やWebサイトのほか、テレビ・ラジオで活躍中。

 主な著書に『イタリア式クルマ生活術』『カンティーナを巡る冒険旅行』、訳書に『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(いずれも光人社)。最新刊は、『Hotするイタリア―イタリアでは30万円で別荘が持てるって?』(二玄社)。

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