大阪府知事の橋下徹弁護士がテレビ番組でした発言をめぐり、光市母子殺害事件の被告の弁護人・今枝仁氏らが損害賠償を求めていた裁判で、広島地裁は2日、橋下氏に800万円の賠償を命じる判決を言い渡した。原告は判決後の会見で、「ほぼ完全な勝訴」と述べた。
この裁判は、去年5月のテレビ番組で、橋下氏が、光市母子殺害事件の被告の元少年の弁護団に対して、懲戒請求を呼びかけたことで「業務を妨害された」として、今枝氏ら弁護団の4人が1200万円の損害賠償を求めていたもの。
2日の判決言い渡しで、広島地裁・橋本良成裁判長は、マスメディアを通じて懲戒請求を呼びかけたことは「原告らが社会から受ける客観的評価を低下させる」として、橋本氏の発言が名誉棄損にあたると指摘。さらに実際に多数の懲戒請求が出されたことで今枝氏らが「精神的・経済的損害を被った」と認め、橋下氏に原告4人にそれぞれ200万円ずつ、総額800万円の支払いを命じた。
判決後、今枝氏らは会見し、「ほぼ完全な勝訴ということでコメントを出させていただきます。懲戒請求を感情的に、マスコミ情報を短絡的に受け止めて出すようなことは、一般の方にももうやめてほしいと」と述べた。
(10/02 19:19)