新日鉄室蘭総合病院は10月1日付人事異動で、重共智子看護部長(53)を副院長(兼任)に登用した。「患者のため、働く人のために全力を尽くしたい」と決意をみせている。看護師副院長は全国的に増えているが、道内ではまだ数人という。
同院の看護部長は看護師約260人を束ねるだけではなく、法人理事格の職務も負っていた。今回副院長就任で一層経営全体に携わる。「医療過誤のない医療は、医師と患者の接点である看護師段階で頑張るべき。看護師の質と量の充実化が最大の使命」と抱負を語る。
さらに「満足度の高い働きやすい職場環境づくりも進めたい」。これまでも“できない”といわれていた勤務体制の見直しを「知恵を出し合いやり遂げた」。業務改善をさらに進めたい方針だ。
モットーは「患者にとっていい病院にするために、できることをまずやってみよう」。「みんなが自分たちで決めて実行してくれる」と笑う。
看護師の副院長登用は、病院経営に患者や現場の声を反映するのが狙い。室蘭地方では日鋼記念病院が昨年、採用しているが、全国でもまだ200病院弱といわれている。 (竹浪恒一郎)
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