モラルも捨てた 近隣3市町へ越境排出 ごみ有料化仙台市のごみ有料化がスタートした1日と翌2日の2日間で、仙台市と隣り合う多賀城、名取両市と利府町の集積所に仙台市の旧指定袋に入ったごみが計68袋出されたことが分かった。値段の高い新指定袋を買うのを嫌った仙台市民が、非有料化の近隣市町村に持ち込んだとみられる。3市町は「越境排出」を防ごうと、集積所の見回りを始めた。市町別では名取市が61袋で断然多く、多賀城市が4袋、利府町が3袋だった。名取市は主に中心部の増田地区、多賀城市と利府町は仙台市との境に近い地区の集積所で見つかった。 いずれも仙台市で出せなくなった古い袋に入れられたごみで、3市町の住民が排出したごみ袋に交じって置かれた。3市町は越境排出の袋も収集。仙台市が引き取ることで合意している名取市を除き、自前で処分した。 3市町は「一部の仙台市民が高額の新指定袋を買うのを避けようと、有料化していない近くの市町村に持ち込んだ」とみる。中心部への排出が目立つ名取市は「名取市に勤め先のある人が車で通勤途中に捨てたのではないか」と推測している。 3市町のほかに仙台市に隣接する富谷、大和、川崎、村田の4町では今のところ、越境排出のごみは発見されていない。 3市町は職員計12人態勢で、仙台市に近い集積所を中心に巡回を始めた。多賀城市は「状況が悪くなれば仙台市に申し入れる」、利府町は「排出者が仙台市民と特定できたら仙台市に引き取ってもらう」と話す。 仙台市は「近隣市町村から申し入れがあれば対応を検討したい」としている。 ◎初日不適正排出1万725個 1日に始まった仙台市の家庭ごみ有料化で、次回の収集日まで集積所に残す不適正排出のごみ袋の数は初日、1万725個に上ったことが2日、市のまとめで分かった。1カ所当たりの平均は1.2個だった。 1日は約8700カ所の集積所が回収の対象。不適正排出のごみ袋のうち、家庭ごみは8758個(平均1.6個)、プラスチック製容器包装が1967個(0.6個)だった。 市の職員約430人と各町内会の協力員約3100人が巡回。すでに置いてあった古い指定袋にはオレンジ色のシールを張り、その場に残した。 市環境局は「制度が大きく変わったことを考えれば、全体としてはおおむね良好。引き続き巡回をしていきたい」と話し、不適正排出の目立つ一部の集積所については、新たな対策を検討する考えを示した。 家庭ごみ有料化について、1日、市に寄せられた問い合わせ件数は最終的に674件に上った。2日は午後4時時点で445件。前日の同時間帯と比較して、28件減った。
2008年10月03日金曜日
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