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2008.10.02 23:59 |  診療  |  こどもの精神科  |  発達障害  |  NINA  | 推薦数 : 0

チームですよ,チーム。

ご家族とも,多職種の方々とも連携するのが大好きな私。

他の職種の専門家の方々と協力して診療を進めていくには,その専門領域のことを自分もある程度知っておく必要があります。

自分の言いたいことだけ言って,それが相手に伝わってないんじゃあ意味がないですもんね。

ちゃんと相手に伝わるような,伝えることが意味を持つような伝えかたをするために,相手の領域のことにも知識を深めておくのはとても大切なことだと思っています。

たとえば,学校の先生と連携を図るなら,学校現場の常識とか現状とかを知らないと,こちらが学校に何をお願いしていいのかもわからない…加配のこと,スクールカウンセラー&スクールソーシャルワーカーのこと,特別支援コーディネーターのこと,学校教育法のこと,教室外登校のこと,などなど。たくさんの学校に共通する項目もあれば,その学校にしかみられない特別ルールのようなものもあったりして。
そういったことを意識しながら先生方とお話しすると,今後の支援などの方針がかなりスムーズに決まったりします。

逆に,他の職種の方々に医学や医療について興味を持っていただくのはとても嬉しいこと。

たとえば,ある疾患の診断基準や特徴的な症状といった知識だったり,精神科外来受診や入院治療に関するルールだったり。
学校の先生が生徒さんを紹介してくださるときに,「変則的だとは思うけれど,まずはお母さんだけ受診という形でも診ていただけますか?」なんて事前に確認していただくだけでどれだけありがたいことか。


でも,どれだけお互い相手の領域に関心を持ち合ったとしても越権行為だけはしてはいけない。
私自身,この点には常に気をつけるようにしています。

たとえ私が特別支援教育のことを多少勉強していたとしても,担任の先生がいろいろ考えてやってくださっている支援に対して「それは違う,こうやるべきだ」と口出しするのは絶対にダメ。なにより,最もやってはいけないことは,「担任の先生の教え方はおかしいですよ」と親御さんやこどもさん本人に意見することだと思っています。

精神医学に興味を持ってくださっている学校の先生から,「NINA先生の診断は間違ってますよね」と親御さんやこどもさん本人に言われたら,(仮にその意見が妥当だったとしても)やっぱり腹が立つと思うから。先生のお考えや疑問を私に直接ぶつけてくださって,専門家同士で議論するのはとてもいいと思うけれど,その議論抜きで教師から親御さんや本人に医師とは違う考えを直接伝えたとしたら,親御さんやこどもさんは混乱してしまうし,支援チームの土台がぐらぐらしてしまって何のためにみんなで協力しているのかわからなくなってしまいますよね。

専門家がそれぞれ一生懸命になるのは結構なこと,だけどチームの足並みを乱すことだけはしないように。
自戒の意味も込めて…。

お互いチームの一員として,節度を守ってがんばっていきましょう!


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なかのひと

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