(副題):【話し方(がチョッとだけ)上達(したように見せる)法】
「誰にも知られず、一人ひそかに『金』をかけずに、話し方上達法を考える」
今年の夏は、ひいきにしているホテルでバカンスを楽しんだ。その代わり時期的にそれ相当の出費もした。このホテルの良いところはサービスもさることながら、以前と違ってチェックイン時間が早くなったことである。チェックアウトの時間は依然として変わっていない。ということは、短時間で次の客を迎える準備をしていることになる。
M&A、アライアンスが進む中、旅館を含めたホテル業界もご多分に漏れず「生き残り」を賭けどこも必死である。
日本のホテル業界の御三家は、帝國ホテル・ホテルオークラ東京・ホテルニューオオタニである。これに歌手の世界ではないが「新御三家」といわれる外資系の、フォーシーズンホテル椿山荘東京、パークハイアッドホテル、ウエスティンホテル東京が台頭してきた。その後ホテルラッシュとなり、現在はどこがどうなっているのかは分からない。ただ、どこのホテルも宿泊部門が空室率を下げるようしのぎを削っていることは確かだ。
これらのホテルが戦略はもとよりのこと、ホテル独自のノウハウをもっていることは誰でもが推測できる。ホテルニューオータニのホテルマンだった森村誠一氏の小説を読み、一時期ホテル業界に興味をもった。そこで、体験してみた。客が退出した後、部屋の清掃・点検を短時間で実に要領良くこなす。髪の毛一本でさえ見逃さない。ベッドメイキングの仕方も一流ホテルは、若干違うことを知った。これは、先日書いた、結婚披露宴での入れ替えを担当する宴会(飲料)部門も同じである。
ホテルは、24時間受付・年中無休のサービス業であり、時間との勝負の肉体労働の世界である印象を受けた。従って、虚弱体質の私には向かないことが分かりあきらめた。
「松木さん、アンタ何が言いたいの?」
ハィ、いつも言っていますでしょう。自分の知らない世界の話は出来ないって。ただ、それだけです。
でも、これで終わってしまったら、ご愛顧いただいているあなたには申し訳ありませんので、更に続けます。
森村誠一氏は脱サラしましたが、文才のある小説家です。小説というものは、フィクションとはいえ、「テーマ」があり「構成」に沿って物語が展開されていきます。それだけではありません。「会話体」が入っています。これを、あなたの人前での話しに生かしたらいかがですかと、先日来お話しているのです。
小説はフィクションです。職場の話し方にフィクションは向きません。但し、話のプロはテクニックとして、これを意図的に使うこともあります。
小説はフィクションではありますが、モデルらしきものがある場合もあります。
例えば、山崎豊子氏の「白い巨塔」です。これは、国立大学医学部付属病院がモデルだったといわれていたこともありました。
あなたも、唐沢寿明主演のテレビでご覧になったことでしょう。テーマ曲も良かったですね。私はCDを買いました。
ところで、このテレビドラマがヒットしたのは、原作もさることながら、脚本家の力もあったものと思います。あなたはご存じないかもしれませんが、以前俳優田宮二郎が主人公「財前五郎」を演じました。いい俳優でしたが、惜しいことにその後猟銃自殺しました。
去年田宮二郎の同シリーズ全作品を見直してみました。医療現場は当時のことですから今見ると古臭く、勿論携帯電話もでてきません。しかし、田宮二郎は財前教授(ドクター)になりきっており、何かにつかれたような「凄み」を感じます。誰が決めたかは知りませんが、名キャストだったと思います。私の好きな仲代達矢では受ける印象が変わってきたことでしょう。
このドラマでの医療現場である「職場」をはじめとする各シーンでの「コトバ」のやり取りを思い出してみて下さい。
この経済小説は、企業小説とも呼ばれます。
例えば、竹中平蔵元大臣に批判的であった、高杉良氏の企業シリーズをあげることができます。この作品を読んでいると、フィクションとはいえ、中には実在企業・モデルが見え隠れする作品もあります。よほどの取材をしない限り描くことはできないでしょう。その他、実在する企業を名指しして書いた経済小説もあります。憲法で「言論・表現の自由」が保証されているとはいえ、私が当該会社の人事部長であれば、頭を悩まし困ったことでしょう。このような時こそ会社を守るべく、「プロサラリーマン」としての人事部長の真価が問われます。
それはそれとして、この中にサラリーマンの“悲哀”が描写されており、身につまされる場面があります。
御社には当然該当しませんが、ビジネス現場のコミュニケーションという視点でこれらに出てくる管理者を反面教師として小説を読むと、あるべき管理者の姿勢・考え方が学べるように思えます。
これは、依然としてコミュニケーションが問題視されている現在、理論だけの「管理者論」・「コミュニケーション論」の本を読むよりは、“生きた教材”として参考になると考えます。
とはいっても、あくまで小説です。面白くなければ誰も読みません。どこの会社も同じという訳ではありません。「中期集合研修」に参加する純真な新入社員が読みすぎると会社が嫌になり辞めたくなります。 念のため、書き添えます。
今日の株式市場は、米国市場の影響を受け軟調に推移することでしょう。
ただ、厚生年金・国民年金の積み立て運用資金が、民間の運用機関(プロ)に委託されはていてもその一部は国内外の株式市場に回っている筈です。投資額が違います。資金運用に失敗したからといって誰も「責任」をとるわけではありません。ただ、年金資金が目減りするのが『国民』としては心配です。
それでは、昼休みをおくつろぎ下さい。私も自分の仕事に戻ります。失礼しました。
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