【ワシントン=小村田義之】米紙ニューヨーク・タイムズは25日付の社説で、麻生首相について「日本の近隣諸国では、けんか腰のナショナリストとして知られ、好意的には記憶されていない」と紹介。アジアで現実主義的な外交を展開するよう求めた。
社説は「日本の将来は中国や韓国など近隣諸国との関係強化にかかっている」との見方を示し、「米国が日本に最も求めているのは責任ある戦略的パートナーであり、帝国主義的な夢想や、力の誇示によってアジアの怒りを招くような政府ではない」とも記した。
そのうえで、アジアでの日本の地位低下を避けるためには、ナショナリズムを復活させるのではなく、小泉元首相が始めた市場改革を完遂させ、隣国を対等に扱うことによる外交の変革が必要だ、と主張。麻生氏が「現実主義者」としてこの方針を採れば「首相として成功するだろう」と呼びかけている。