国内最大の発電会社、セノコ・パワーを買収した日仏連合のライオン・パワーは、原油を燃料とする既存発電プラントを高効率の天然ガス発電に改造する計画を発表。また液化天然ガス(LNG)取引に参入する意向を明確にした。
改造に7億5,000万Sドル(約557億円)を投じる。稼動は2011年末の予定で、同年に完成する予定のジュロン島のLNGターミナルからガスを購入する。
セノコは原油火力の発電機(出力250メガワット)3基を、LNGを燃料とする複合発電(コンバインド・サイクル、430メガ)方式の2基に入れ替える。
現在、マレーシアとインドネシアからパイプライ輸送で天然ガスを購入しているが、不足が生じるため、L
NGで補う。発電能力は2,805メガワットになる。
外国からのLNG購入は英BGグループが独占権を付与されているが、2018年以降、あるいはLNG輸入量が年300万トンに達した時点で市場は開放される。ライオンに30%出資するGDFスエズの関係者によると、セノコは開放と同時にLNG取引に参入する。
連合体の中核企業は丸紅で、関西電力、九州電力も参加している。丸紅はLNG取引の経験が豊富で、両電力はLNGの消費者。