9月29日、米オハイオ州での集会に出席した共和党副大統領候補のペイリン・アラスカ州知事(右)と同大統領候補のマケイン上院議員=AP
米人気テレビ番組「サタデーナイトライブ」に登場した共和党の副大統領候補、ペイリン氏のそっくりさん(左)=ロイター
その後も本物のペイリン氏は危うい発言を重ねた。フィラデルフィア市内で若い男性から、アフガニスタン駐留米軍がパキスタンに越境すべきかと質問され、「必要なら絶対そうすべきだ」と答えた。これは民主党のオバマ上院議員のかねての持論で、マケイン氏は強く批判している。このためマケイン氏は「公式見解ではない」と火消しをする羽目に陥った。
ベテランの外交通バイデン氏が相手となる討論会への危機感から、ペイリン氏は29日、マケイン氏が地元アリゾナ州に持つ牧場で「緊急合宿」をスタート。複数のマケイン陣営幹部が現地入りし、徹底指導にあたっている。
ただバイデン氏も「失言癖」で知られるだけに、調子に乗ってペイリン氏を攻め立てると女性有権者の反発を招く懸念もある。このためヒラリー・クリントン上院議員ら女性議員のアドバイスを受けたほか、ミシガン州の女性知事グランホルム氏をペイリン氏の代役として、討論の特訓を続けているという。
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〈ペイリン氏の風変わりな発言〉
■アラスカからロシアが見える?
Q:最近のロシアの動きに、どんな識見をお持ちですか。
A:彼らは我々と隣同士です。実際、アラスカからはロシアが見えるんです。(ABCニュースのインタビュー)
■プーチン氏はアラスカに向かう?
Q:ロシアと交渉をした経験はありますか。
A:通商の派遣団が行き来していますよ。安全保障上も非常に重要です。プーチン(首相)が空から米国に入ったら、まずどこに行くでしょう。答えはアラスカですよ。(CBSニュースのインタビュー)
■具体的にあらゆる努力?
Q:具体的に答えてください。あなたはどのように民主主義を世界に広げるつもりですか。
A:具体的に、私たちは、自由と独立と寛容と平等を求める人々のため、民主主義を広げる可能なあらゆる努力をします。(同)