9月29日、米オハイオ州での集会に出席した共和党副大統領候補のペイリン・アラスカ州知事(右)と同大統領候補のマケイン上院議員=AP
米人気テレビ番組「サタデーナイトライブ」に登場した共和党の副大統領候補、ペイリン氏のそっくりさん(左)=ロイター
【ワシントン=小村田義之】米共和党初の女性副大統領候補ペイリン・アラスカ州知事(44)は2日の副大統領候補討論会で、民主党のバイデン上院議員(65)と対決する。ペイリン氏は最近、知識不足をさらけ出す発言が目立ち、見かねた身内の保守派からも逆風が吹き始めている。
ペイリン氏はきちんと質問に答えられるか――。全米の視線はその点に集まり、討論会の注目度は高い。保守派の論客、ビル・クリストル氏も「彼女がうまく出来なければ、選んだマケイン上院議員の判断力が問われる」(ニューヨーク・タイムズ紙)と論じており、大統領選の行方を左右しかねない。
ペイリン氏はこれまで、米メディアの取材をほとんど断ってきた。ところが少しずつ受け始めたインタビューで風変わりな発言を連発。金融危機の陰に隠れていたが、討論会が近づくにつれて問題視され始めた。
これを見た保守派のコラムニスト、キャサリン・パーカー氏は「私はペイリン氏が副大統領候補になって喜んだことを告白する」と認めたうえで前言を撤回し、「明らかに能力不足だ」と指摘。「ペイリン氏だけが、マケイン氏や共和党、愛する国を救うことが出来る。個人的な理由で身を引きなさい」と、候補の座を自ら降りるよう勧告した。
さらに全米で人気のコメディー番組「サタデーナイトライブ」では、元レギュラーの女優ティナ・フェイがペイリン氏に扮して登場。「アラスカの人は朝起きると、ロシア人がうろうろしていないか外を見て、もしいたら、しっしっと追い払うのよ」。これが視聴者に大受けし、ペイリン氏は、冗談のネタになりつつある。