山口県光市の母子殺害事件で殺人などの罪に問われ、今年4月、差し戻し控訴審で死刑判決を受けた元少年(27)の弁護団の4人(広島弁護士会所属)が、テレビ番組で懲戒請求を呼びかけられたため業務に支障が出たとして、弁護士でもある橋下徹・大阪府知事を相手取り、計1200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が2日、広島地裁であった。
橋本良成裁判長は、橋下知事に計800万円の支払いを命じた。
訴状などによると、知事当選前にタレント活動していた橋下知事は昨年5月27日、「たかじんのそこまで言って委員会」(読売テレビ)で、差し戻し審で弁護団の主張が1、2審から変わったことを批判。「弁護団を許せないと思うなら、一斉に弁護士会に懲戒請求をかけてもらいたい」と視聴者に呼びかけた。
日本弁護士連合会などによると、原告4人を含む弁護団の弁護士22人に対し、全国の10弁護士会に計8095件の懲戒請求が出されたが、いずれの弁護士会も、懲戒処分をしない決定をしている。
橋下知事は2回の口頭弁論には出廷せず、書面で、「発言は表現の自由の範囲内で、違法性はない。懲戒請求は一般市民が自由意思で行ったことで、扇動した訳ではない」と主張していた。
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