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民主党の小沢一郎代表(66)が1日、衆院本会議の各党代表質問に立ち、“所信表明”を行った。小沢“首相”は次期衆院選の政権公約の骨格を公表、政権担当能力をアピールする異例のスタイルを取った。麻生太郎首相(68)が先日の所信表明で民主党に求めた質問は完全無視。11月中旬以降の日程先送り論が浮上する衆院選だが、「太郎VS一郎」の第2ラウンドは選挙本番を予兆させる激しい応酬となった。
小沢氏はまるで首相気分だった。質問の冒頭で、自民党総裁が1年足らずで2代続けての政権を放り出したことを糾弾。麻生首相が9月29日の所信表明で民主党へ出した「逆質問」に「所信を述べることで答弁としたい」と“所信表明”の形で応じた。
小沢氏は総額20兆5000億円の政策を段階的に実行する民主党の次期衆院選のマニフェストの骨格を公表。与党席から「あんた、総理かよ!」とヤジが飛んだが、淡々と演説を続けた。
政権奪取に向けた「最後の戦い」と位置づける衆院選に向け「今後も自公政権か、民主党を中心とする政権か、政権を選択することで国民生活の仕組みを選ぶ重要な機会だ」と決意を語った小沢氏。首相がもくろむ「太郎か一郎か」の党首選択ではなく、政権選択の戦いを強調。唯一の質問として衆院解散・総選挙の時期を問いただした。
小沢氏の演説中、不敵な笑みを浮かべていた麻生首相は、所信表明で求めた民主党への質問を無視されたが、麻生節で逆襲した。
昨秋の大連立構想が物別れに終わった際に小沢氏が「民主党は様々な面で力量が不足している」と語ったことを挙げ「政権担当能力がないことを自らお認めになったと記憶している」と切り返し、解散総選挙は「解散は私が決めさせていただく」と畳みかけた。
解散風が吹く臨時国会は、首相の所信表明での「逆質問」に、野党第1党党首の“所信表明”と異例ずくめの展開。田中真紀子元外相(64)は「小沢氏の演説は説得力もある。漫画を読んでおちゃらけているおじさんとはだいぶ違う」と麻生首相を皮肉り、衆院選の前哨戦とも言える激しいバトルをあおり立てた。一方で、民主党と一線を画す共産党は「国民目線ではない。双方とも衆院選を意識した非難の応酬だ」(穀田恵二国対委員長)と批判した。
大胆に所信表明した小沢氏は「基本原則を示して間接的に我々の考えを示した」とどこ吹く風。麻生首相は「議論がかみ合ってない感じ」と消化不良気味だった。
国会終了後、与野党国対委員長会談で補正予算案の審議日程を協議。補正成立直後の衆院解散を求めた野党に対し、与党は「確約できない」と回答し、平行線に終わった。衆院選の日程が見えない中、「太郎と一郎」だけは先走り気味にヒートアップしていた。
(2008年10月2日06時02分 スポーツ報知)