【ニューデリー栗田慎一】日本人男性医師が第三者から卵子の提供を受けインド人女性に代理出産を依頼して7月に女児が生まれた問題で、インド最高裁は1日、政府に対し、女児に旅券を発給するかどうかの判断を4週間以内に行うよう命じた。旅券発給が決まれば、女児の日本渡航へ向け大きく前進する。
男性の弁護士が同日、最高裁から命令書を受け取り、政府に提出した。
この問題を巡っては、男性が女児誕生を前に離婚したことからインドの法制度上親権者として登録できず、代理母も親権を放棄したため、女児は親権者不在となった。このため女児は日本渡航のための旅券発給が受けられない状態となり、男性側は8月、旅券発給を求めて提訴した。最高裁は9月15日、代理母出産に関する法律がないことを理由に、政府が判断するよう命じる考えを示した。
毎日新聞 2008年10月2日 東京朝刊