いったい、いつまで続くのでしょうか。食に対する信頼はいまや「地に落ちた」と言っても過言ではないでしょう。カビ毒や農薬にまみれた汚染米がいたるところに流通、幼い子どもが口にする幼稚園の給食にまで使われていたとは腹立たしいかぎりです。親にとっては、自分が食べること以上に心配で、悔しい思いをしているのではないでしょうか。
また、気になるのは「微量なので健康被害はない」との行政やメーカー発表。確かにおにぎり一個とか、赤飯一杯といった量なら問題ないのでしょう。しかし、汚染米を原料にしたでんぷんで使った卵焼きをおかずにしていたら? おやつに汚染米で作ったあられを食べていたら? メラミンが混入した菓子や惣菜も口にしているかもしれません。体内に入った後は排出されるのか、分解されるのか、それとも蓄積されるのか。不安は募る一方です。
今回の事件では農水省のずさんな検査態勢が明らかになったばかりでなく、当事者のはずの太田前農相は「消費者はうるさい」「じたばた騒いでいない」などと信じられないような発言も。他にも問題が隠されているのではないか、と疑いたくなります。
ここ数年、産地や賞味期限の偽装、料理の使い回しが明らかになりましたが、これらは倫理上の問題が中心。しかし、今回は健康被害への心配がぬぐい切れません。当事者の責任追及のみならず、今度こそ徹底的な再発防止に取り組んでもらいたいものです。
(ニュース編集部・中田信治)