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清原和博内野手:最後はフルスイングで空振り三振

【オリックス・ソフトバンク】四回裏オリックス1死一塁、フルスイングで三振に倒れる清原=京セラドーム大阪で2008年10月1日、梅村直承撮影
【オリックス・ソフトバンク】四回裏オリックス1死一塁、フルスイングで三振に倒れる清原=京セラドーム大阪で2008年10月1日、梅村直承撮影
【オリックス・ソフトバンク】六回裏1死一塁、清原が右越えに適時二塁打を放つ=京セラドーム大阪で2008年10月1日、梅村直承撮影
【オリックス・ソフトバンク】六回裏1死一塁、清原が右越えに適時二塁打を放つ=京セラドーム大阪で2008年10月1日、梅村直承撮影

 地響きのような清原コールの中、主役はゆっくり打席に入った。

 清原の第3打席は六回1死一塁。ソフトバンク・杉内はここまですべて直球勝負。2-1と追い込まれた。しかし5球目、140キロの直球に反応すると、清原らしい逆方向への強い打球が、右中間フェンス際まで飛んだ。一塁をけってさらに走った。ひざの痛みもあり決して速くはないが、何とか二塁へ。一塁走者・阿部を生還させ、ヘルメットを取って大歓声に応えた。

 07年、左ひざに2度メスを入れた。7月の軟骨移植手術は「グラウンドに戻った前例がない」(執刀医の黒坂昌弘・神戸大医学部教授)という難手術。気持ちが折れそうなこともあったがリハビリに耐え、年俸45%ダウンも受け入れた。

 8月3日に1軍に復帰したものの「チームの戦力になっていない」という葛藤(かっとう)はついて回った。それでもレギュラーシーズンを戦い抜くことが、自分をオリックスに呼び寄せ、同じグラウンドに立つことなく他界した仰木彬・元監督の言う「花道」だと信じ、最終戦まで駆け抜けた。

 最後の打席はフルスイングで空振り三振に終わり、通算三振のプロ野球記録を1955に更新。それすらも「彼らしい」と思わせるのが清原だ。プロ生活を感涙で締めくくり、伝説の男は球場を去った。【水津聡子】

毎日新聞 2008年10月2日 0時38分(最終更新 10月2日 0時48分)

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