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「北はすでに核弾頭を小型化した」 元CIA東アジア部長 (2/3ページ)
−−米ブッシュ政権の6カ国協議についての評価は
「結果は出ない。北朝鮮は核を放棄するつもりは全くないからだ。6カ国協議は幻想だ。(6カ国協議が)始まる前から情報当局はそのように考えていた。政府(ホワイトハウス)がどう考えていたかは私には言えないが、1950年代からの北朝鮮の核開発の歴史をみれば金正日総書記が核爆弾を捨てる意志も証拠もない」
−−CIAは核実験(2006年10月)を予測していた?
「私は2005年5月に『1年以内に核実験を行う』との分析を発表した。4カ月間違ったが(笑)。なぜなら、核の歴史、彼らの言葉から(実験は)自然な流れだった。金正日総書記は異常な男ではない」
−−核実験を阻止する政策はなかった?
「止められなかった。金正日総書記は大きなテーブル(核保有国による核クラブ)に着くことを望んだ。われわれが『ウエルカム』といえば核実験はしなかっただろう。しかし、われわれの答えは『申し訳ないがノーだ』。そして米国に軍事オプションはない。この件で彼に他の脅しも懐柔も通用しない。なぜなら、『核なしの北朝鮮』はアフリカの開発途上国と同じであり、金総書記の目的はただひとつ、核クラブに入ることなのだ」
−−核実験後、米ブッシュ政権の対北政策は変わった。直接対話に応じ、北朝鮮に譲歩を重ねた。別の政策はなかった?
「米国はアフガニスタン、イラク、ロシア、さまざまな問題を抱え、私が議会で北朝鮮問題を報告するのは1週間に多くても5分間だった」
−−CIAは2度目の核実験を予想していた?
「予想はあった」
−−再度の核実験を警戒し北朝鮮に譲歩したという観測もあったが。
「正しい。われわれが何もしなかったら、彼らはまた実験を行ったと思う」
−−現在、北朝鮮は核計画申告・検証問題で米国がテロ支援国家指定解除を行わなかったことの報復として再処理施設の再稼働などの動きをみせている。北朝鮮の目的をどうみる?
「彼らは寧辺の核施設をわれわれに2回売った。一度目はクリントン政権の枠組み合意、2度目は6カ国協議のエネルギー支援だ。今の動きは米次期政権と“3回目の商売”を考えてのことだろう。新しい米国大統領との取引の方が、いい商売になると考えていると思う」