ソウル──北朝鮮核問題をめぐる6者協議の米首席代表、ヒル米国務次官補は10月1日、訪問先の韓国から板門店を経由して北朝鮮入りし、平壌に到着した。ヒル次官補は北朝鮮の核計画に関する検証手続きで歩み寄り、6者協議の合意を維持したい考えだ。
ヒル次官補は、検証手続きをめぐる米国の要求を受け入れるよう北朝鮮の金桂冠外務次官を説得したい意向を表明する一方、これが困難な課題であることを認めた。同次官補は9月30日、韓国首席代表の金塾・朝鮮半島平和交渉本部長とソウル市内で会談後、記者団に対して「われわれの交渉は非常に難しい局面にある」とコメントした。
北朝鮮は米国の要求を拒否し、米国がテロ支援国家指定解除に応じていない点を批判。さらに、無能力化作業が進んでいた寧辺核施設の原状回復に動いている。
米高官がワシントン市内で匿名を条件に語ったところによると、訪朝したヒル次官補は、北朝鮮の面子に配慮した新提案を携えている。北朝鮮に検証手続きについての合意を促すもので、北朝鮮はまず受け入れた検証手続きを中国政府などに提示し、続いて米国が北朝鮮のテロ支援国家指定を仮解除する流れになる。
北朝鮮がこの新提案を受け入れるか不明だが、仮に受け入れた場合、北朝鮮が中国側に提示する内容は米政府が容認できるものと予想されるという。