テニスのAIGジャパンオープンは第3日の1日、東京・有明コロシアムなどで男子シングルス2回戦などを行った。男子シングルス2回戦で、世界ランク84位の錦織圭(ソニー)が同60位の第16シード、ギリェルモ・ガルシアロペス(スペイン)に6-4、6-4でストレート勝ちし、ベスト16に進出した。同593位の鈴木貴男(高木工業)は7-6、4-6、7-6で同46位の第15シード、シモーネ・ボレリ(イタリア)に競り勝った。
女子ダブルス1回戦でクルム伊達公子(エステティックTBC)藤原里華(北日本物産)組がペトラ・チェトコフスカ、ルーシー・サファロバ組(チェコ)をフルセットで降した。伊達のダブルスでのツアー大会勝利は、杉山愛(ワコール)と組んだ96年9月のニチレイ国際1回戦以来。波形純理(北日本物産)米村明子(荏原製作所)組も勝ち上がった。
第1セットの第1ゲームで、勝負の行方はほぼ決まった。所要時間は22分間。根比べのゲームを錦織がブレークした。
ストローク戦を得意とするガルシアロペスに対し「サーブは強くないし、そんなに前に出てくるタイプじゃない。とにかく返していこう」と考えた。ジュースが繰り返される中で「これだけ長くなると、このゲームが試合を左右する。絶対取ろう」と決意。最後は相手がフォアをネットにかけるミス。相手に第1ゲームだけで44本もサーブを打たせて疲れさせ、試合の流れをつかんだ。
滑らかな動き、緩急を織り交ぜたストロークでラリーの主導権を握り、ドロップショットもうまく使い分けた。18歳とは思えない巧みな戦術にほんろうされたガルシアロペスは、ダブルフォールト8回など要所でミスを連発。第2セット、4-4で迎えた第9ゲームも、錦織は相手のミスに乗じてブレークした。
「前日に1勝したので緊張はなかったが、勝ちたい気持ちが強くて余裕がなかった」と振り返ったが、シード選手を相手に危なげない勝利だ。次の相手は世界ランク13位のガスケ(フランス)。「全米オープンからトップクラスの選手にも勝てるようになり、自信もついている」。全米オープン16強の若武者に、おくする気持ちはない。【来住哲司】
○…クルム伊達、藤原組が初戦突破で準々決勝に進出。クルム伊達にとってはダブルスで96年9月のニチレイ国際1回戦以来12年ぶりとなるツアー大会勝利だが「WTA(のツアー大会)で勝ったことより、(藤原と)2人で勝てた喜びの方が大きい」。ダブルスで試合出場を重ねることについて「ブランクを埋めるためにも必要。技術的なタイミングやショットの精度を得られる」と説明した。
毎日新聞 2008年10月1日 17時07分(最終更新 10月1日 20時02分)