予定していた話題ですが、もう一回だけ延長させてください。事態が事態だけに、どうしても書いておきたいことがありますので。
今までもさんざん書いていることなのですが、「投資情報の価値」についてのお話を改めてしたいと思います。
よくインターネット上で、
「本を見れば1500円で済むのに、セミナーやDVDやEブックは高い」
ということが書かれています。
確かに、投資本を「単なる印刷物」と考えるならばそのとおりかもしれません。ページ数にもよりますが、「単なる印刷物」を法外な値段で売ったところで誰も買わないからです。
しかし、その一方で、投資本の場合は「情報」という側面があります。つまり、「執筆した人が提供するノウハウの集約」という側面です。
「情報」というのは、形がないゆえ値段を付けるのが難しいという部分があります。しかも、今はインターネット社会ですから、「情報そのもの」は無料で手にすることが可能な場合も多いのです。
それでは、「情報を有料で取得することに効用がないのか?」というと、そういうことにはなりません。
全て情報について、その精度を自分だけで判断するのは、時間的制約や能力的制約から極めて困難であるから、それを解決するためにノウハウの保有者にお金を支払うということは、十分に考えられます。
例えば、弁護士への相談費用。1時間で何千円〜何万円も取られることになるわけですが、それを惜しむならば、
●六法全書を見て、法律の基礎を知る
●判例を見て、自分の場合はどうなりそうかを考える
というプロセスが必要になります。
「本を見ればいい」という考え方であれば、六法全書という「印刷物」を買ってくれば済むわけです。
しかし、多くの場合、弁護士にお金を払います。それは、その弁護士が、司法試験に受かったという能力やそれまで培ってきた法律実務の経験という「ノウハウ」に対してお金を払うのです。
法律相談に限らず、経営コンサルタント、税務相談、予備校、学習塾、などもこういった側面があります。
翻って、投資に関する情報の価値についてどう考えるか−−−
こんなことを投資情報会社の経営者がいうのはなんですが、はっきり言いますと、
「インターネット社会である現在、全ての事柄を自力で調査できるならば、有料のノウハウを買う必要はない」
と思います。
でも、全員がそれをできるとは限りませんし、投資の世界で長きに渡って生き残れる人が5%もいないという現実を考えると、本当に有効なノウハウであれば、それにお金を払う価値はあるのではないかと思います。
それで、なんでこんなことを書いたかというと、
弊社販売の成長株投資マニュアルを単なる「印刷物扱い」している御仁がいる
からです。
確かに「単なる印刷物」と考えるならば、それを3万円で販売するのは明らかなボッタクリです。
しかし、
●okenzumo氏自身が実践してきた成長株投資に関するノウハウ
と考えるならば、人によっては3万円は安いと考えることも出来るのではないでしょうか?
1500円に対する3万円というのを、単に「印刷物だから」と考えているならば、それは明らかに筋違いというものです。
成長株投資を目指すとしてそのノウハウを知りたいと考えた場合、フィリップ・フィッシャーやピーター・リンチの本を買って読んで、それで日本のマーケットに適用して実践できるという人であれば、その人にとって成長株投資マニュアルはいらないのかもしれません。
要するに、自分の時間的制約や能力的制約や投資スタンスに応じて、価値があるかないかを判断すれば良いのだと思います。
その結果として、「3万円の価値がない」と判断すればそれはそれで良いわけです。「3万円の価値がある」と考えていただいた方だけにご購入いただければ、それで問題ないと考えております。
しかし、これだけはいえます。
確かに、情報そのものはタダで(あるいは、格安で)手に入れることは可能でしょう。インターネットで検索することでも可能ですし、書店に行って本を買うことでも可能でしょう。
しかし、「良い」情報をタダで(あるいは、格安で)利用できるようになるためには、それを選別する力がある人に限るということです。
思えば、成功しているバリュー投資家は自分で「ケチ」といっている人が多いのですが、それはただ単に「何が何でもお金を使わない」というよりは、「自分で情報を選別する力を身につけた」からこそ、成功したのだと思います。(もちろん、異常なくらいの無駄遣いをしないことも重要だとは思いますが。)
したがって、
「情報の選別力を自力で向上させるのは面倒くさい、でも、形のない情報に対してお金を払うこともしたくない」
という人は、株式投資には絶対に向いていないと断言できます。
そんな人は、こちらに行って下さい。
P.S.
うーん。また余計なことを言ってしまった。2ちゃんで叩かれるんだろうな。まあ、しょうがないです。投資情報ビジネスは情報の価値に敬意を払う人とそうでない人とのせめぎあいですから。