2007-03-05
続・東大合格者のノートは美しくまとめられている(週刊文春臨時増刊号Business 2007年4月4日号)UPDATE:2008.Sep.30
コクヨから、東大生ノート発売だって!(UPDATE:2008.Sep.30)
最近、「東大生 ノート」という検索が多いので調べてみたら、そういうことか。
コクヨグループのコクヨS&T株式会社(本社: 大阪市/社長: 森川卓也)は、株式会社文藝春秋社、フリーライターの太田あや氏と共同で、東大合格生が使用したノートの研究に基づく「ドット入り罫線シリーズ」を開発し、10月10日に発売します。
この企画は、文藝春秋社から10月に発売される「東大合格生のノートはかならず美しい」の著者、太田あや氏と文藝春秋社が東大合格生のノートの書き方が「美しい」点に着目したことに始まりました。その後、コクヨS&Tが加わって共同調査を行い、東大合格生のノートのとり方を参考にした「学習に最適なノート」の開発を進めました。
多くの東大合格生は、学んだことを効率的に身につけるために、書き出しをそろえたり、内容ごとに書く場所を決めているなど、後で見返ししやすいように美しく書く工夫をしていることがわかりました。さらに教科によっては、文字だけでなく図や表を書いたり、プリントを貼るといった使い方をしており、人によってノートのとり方も多様であることから、学習におけるノートには「汎用性」が必須の要件であることが確認されました。その結果生まれたのが「ドット入り罫線」です。
「ドット入り罫線シリーズ」は、「キャンパスノート(ドット入り罫線)」、「キャンパスルーズリーフ(ドット入り罫線)」、「ツインリングノート(ルートマップ柄)(ドット入り罫線)」の3品目6品番を品揃えしています。
『文藝春秋社の書籍「東大合格生のノートはかならず美しい」と同時発売』だそうで、下記の増刊号の記事が大元になった企画でしょうね。
代ゼミで理系クラスだった人なら、化学担当の亀田和久という講師を知らない人はいないと思うが、まさしく彼が推奨しているノートの作り方が「東大生らしい」部分に該当する。
「東大生らしい」ノートとは、どのようなものか、改めてもう一度まとめると、
- インデントがしっかりしている
- カラー資料が貼られている
- 実際の試験問題が貼られている
- 余白が多い
に集約される。
さらに抽象化して説明すれば、
見た目も内容もキレイにまとまっており、情報の追加も可能な状態で、しかも実戦的。
といえる。
「内容がキレイ」というのがミソなのだが、売る方からすればどうでもいい。「見た目をキレイにする訓練により、内容もキレイになる」とでも言えばよろしい。
私のようなスクリーニング論者(例えば「人間は過酷な環境に身を置くことで成長するのではない。元々その環境に対する適応力があったかどうかの結果をみて“成長した”と表現しているだけに過ぎない。」とする考え)からすれば、上記のような「きっちり」としたノート作成術は、事務処理能力のスクリーニング試験であると考える。
すなわち、上記のようなノートが作成できるという能力があることが、本来問題にされるべきなのだ。
従って、ノートが汚い東大生がいても不思議ではない。能力をノート作成に向けていないというだけなのだ。もし彼の書いた論文が汚かったら、それは東大生の中のアカデミックな意味での落ちこぼれであるに過ぎない。たったそれだけの話だ。
以下、2007年3月5日の記述
このエントリーは
の続編です。
早速、週刊文春臨時増刊号を買ったわけだが結論から言うと、もう少し、特集されるのかと思っていたのに、写真メインだったのでやや拍子抜け。
これまでちょくちょく「b:id:ochame-cool:t:t. 東大合格者研究」というタグでブクマしてきた。別に東大じゃなくてICUでもいいじゃん的な話はあるけど、曲がりなりにも日本の最高学府といわれているわけで、ブランド力もあるし、毎年合格者数がメディアを賑わすし、ベンチマークには最適だ。
どんな行動パターンの人間が東大に行くのか。これはマーケティングを学ぶ人間としては興味がある議題だ。まあ、そういうわけで、文春のミニ特集に興味が惹かれました。
さて、東大合格者のノートだけが素晴らしいのかといえば、それはもちろん疑問なわけだが、シケプリという文化があるのも確か。シケプリや講義ノートをLaTeXで作成してPDFで配るような連中がいるのは東大だけかもしれない。
前置きはこれぐらいにして、本日発売の臨時増刊号についてメモ。
東大生は受験時のノートを保管しているらしい
これはどうなんだろう。他大学とあわせてまじめに調査したら面白いと思う。駿台とベネッセのいつものコンビで共同調査したらどうだろうか。ちなみにその理由について
「努力の賜物だから」
「大学生になっても知識の確認のために見直すから」
とか挙がったり。
中本千晶(「東大脳の作り方と使い方*1」の著者)曰く、東大に合格する7つの力とは
ってな感じで、ゲストのコメントが。読んだけど7つも必要なくね?それから「東大脳」って「東大出の与太郎」って感じの悪いイメージがするわ。
- わしづかみ力
- 道すじ力
- 日本語力
- エンジョイ!勉強力
- やり通し力
- 手抜き力
- 生真面目力
で、本文では東大生のノートをこの7つのチカラに当てはめているわけだが、まあ、後付ではある。
気付いた点
というわけで、亀田ノートが2つあったので笑えたノートの写真を観た感想をば。
- ノートのインデントがしっかりしている
- 構造的な文章を作成できるってことは理解できている証拠かと
- 資料集のコピーを貼る
- 絵は重要 カラーのものはカラーにすると素敵
- 自分が間違えた問題のコピーを貼る 間違えた解答も載せる
- これ、模試毎に続けようと思っても難しい
- 余白大事
- 私はこれが一番重要だと思うんだけど、余白があることでシンプルになるし、資料のコピーを張ったり、コメントを追加できたりする ノートぐらいケチるなと
- ノートを作ったことが誇らしい
- 達成感は重要 受験後も捨てられないような入魂ノート プライスレス
要するに「処理能力」+「根気」+「思い出」って感じだね。同じペースでノートを作り続けるってのが一番大変なことだと思う。
やはり言語運用力と物語構成力、継続力
能力的な話をすると、文字を書いたり、論理的な文脈を構成する言語運用能力と、授業や講義を再構成する物語構成力が要素としては大事なのだろう。両方とも小学校低学年の時にはある程度固まってそう。知識の追加と再構成を言語を使いこなしながら繰り返すんだろうな。繰り返しが重要だよね。
Pressure & Time
*1: