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【千葉】銚子市立総合病院が診療休止 市民 存続の声相次ぐ 反対派団体、市長リコール活動へ2008年10月1日
「税金が増えてもいいから、病院を残してほしかった」「救急で遠くの病院に運ばれれば、命にかかわる問題だ」−。銚子市立総合病院が三十日に診療を休止したことを受け、市民からはなお存続を求める声が相次いだ。休止に反対する市民団体は同日夜、市内で抗議集会を開催。「全く展望がないまま休止し、市民の提案にも耳を傾けなかった」とし、岡野俊昭市長のリコール(解職請求)を求めて活動することを決めた。 (宮崎仁美) 集会には百人以上の市民が参加。市民団体代表の金秋陸夫さん(62)は「(病院を大切にしない)銚子市は全国の医師からそっぽを向かれる。再開には信頼をつくり上げるしかない」と呼び掛けた。 同団体はこれまで休止に反対する市民の署名約四万八千人分を集め、休止阻止に全力を挙げてきた。だが、休止が強行されたため、岡野市長の責任を追及することを決めた。今月に決起集会を開き、十一月にもリコールを求める署名活動を開始するという。 参加した無職女性(69)は「病院を残すと公約したから投票したのに。岡野市長には裏切られた。遠くの病院まで行くのは大変。何とか病院を再開してほしい」と話していた。 一方、岡野市長は同日夕、病院を訪れ、職員に対し「私も皆さんと同様に残念な気持ちでいっぱい」と述べ、「医師不足や医業収益の減少で経営が悪化した。逼迫(ひっぱく)した財政の中、存続できないか議論を重ねたが、休止というつらい決断をした」と釈明。 市長のあいさつを聞いた男性医師は「傍観者のような物言いに聞こえた。市長が住民の心に響くメッセージを伝えてこなかったことにも問題がある」と残念そうだった。 この日は、精神神経科、脳神経外科、眼科、小児科の診療が行われ、八十二人の患者が訪れた。予約患者が中心で、午後三時には訪れる人もいなくなり、病院内はひっそり静まり返った。職員は荷物をまとめたり、一日から始まる精神科診療所の表示板を取り付けるなど、片付けや準備に追われていた。
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