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高校の「まさか」の現実。

NINA / 2008.09.30 22:06 / 推薦数 : 0
先日,ある会で公立高校(普通科)の特別支援コーディネーターの先生とお話をする機会がありました。

いろいろしゃべるうちに,発達障害の話になったのですが,「今のところ校内で発達障害に対する支援はまったく行えていない」とはっきりおっしゃられたので,驚いてしまいました。
だって,特別支援コーディネーターの先生がそうおっしゃるのですから。
医療機関で「発達障害」という診断がついて,それに対して校内で支援していこう,という話になったケースはこれまで一例もない,と。

・・・。

そういえば,他の地域の高校の先生とお話ししたときも,就学前・小学校・中学校と特別支援教育に関する研修が地域で企画されてきて,最近やっと高校にも及んできた,なんてことをおっしゃってたっけ。

きっともっとよい状況の高校もあるのだと思うけれど,あまり発達障害に対する理解の進んでいない高校はおそらくまだまだたくさんあるってことなんですよね。

発達障害のこどもたちを早期に見つけ出して,早期に支援を始めることでこどもたちの育ちをサポートできたり親御さんの疲弊に対してフォローができたり,というのが大事なのは言うまでもないこと。

だけど,就学前や小学校で発達障害を見過ごされたまま思春期を迎えたこどもたちに中学・高校で支援を始めていくことだってすごく大事だと思うのです。

そこでも気付かれないまま大学へ進んで不適応を起こしたり,社会に出てからうまく適応できず就労が続かなかったりする,そんな発達障害のおとなたちの生きづらさだってすでに問題になってきているんですから。

診断がすでについていようがいまいが,そしてどのライフステージからであっても,発達障害に対してそのとき必要な支援をその時点から始めていかなくちゃいけない,と私は思います。


先の高校については,ただ単純に特別支援コーディネーターの先生を責めるわけにはいきません。
校内のたくさんの先生方の意識が変わっていかないと,先生方が特別支援コーディネーターさんを校内でどのように活用すべきかもピンとこないはずだし。
そんな状況では,何のために特別支援コーディネーターの先生を校内に配置したのかさっぱりわからないことになってしまいます。
そして,校内では発達障害をもつこどもたちが困り続けることに…。


悲しいけど,どうやらこれが地域の高校の現実のようです。

現実を受け容れて,いや,受け容れられないけど現実をきちんと知って,その現実を変えるために自分にはなにができるのかを考えていかなくちゃ。

診察室へ来てくれたこどもたち(ときにおとなたち)への支援は当然続けていくとして,支援が必要なのにまだ受けることのできていないこどもたちがひとりでも多くそして少しでも早く支援を受けられるように,こどもたちの日常を支えるおとなたちにもっともっと発達障害のことを知ってもらえるような,そんな活動にも力を入れていきたいな,と思っています。

まずは次の講演で,そのことをしっかり意識してやってみようと思います。


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