自民党新総裁・安倍晋三氏ってどんな人?
九州に有名な元在日韓国人の富豪がいる。パチンコ事業を展開する七洋物産の吉本章治社長(81)だ。今は日本に帰化しているが、2002年12月に韓国政府から国民勲章槿(むくげ)賞を授与された。韓国人留学生・日本人留学生に奨学金を出していたという功労での叙勲だ。
安倍晋三・自民党新総裁の地元にある下関事務所ビルは、吉本社長の妻が経営する会社の所有だ。吉本社長と安倍新総裁の関係は、安部氏の父・安倍晋太郎(1991年死去)元外相時代にさかのぼる。晋太郎氏の福岡事務所も、七洋物産本社ビルにあった。「安倍吉本」関係は、1980年代末に癒着批判が出るほど緊密だった。
朝日新聞9月4日付(西部版)には吉本社長が晋太郎氏を回想する文が掲載された。晋太郎氏が東京大学法学部を卒業、毎日新聞記者を経て初めて国会議員選挙に出馬した1958年ごろのことだ。「彼は孤軍奮闘した。(一人で奮闘する姿が)在日韓国人に似ていた。目つきが同じだった」
晋太郎氏は日本政界きっての親韓派だった。中曽根政権時代に4年間外相を務め、韓国政界と太いパイプを持っていた。全斗換(チョン・ドゥファン)政権時代に歴史問題などで韓日間に確執が生じると、彼は両国関係改善のため努力した。安倍新総裁はこんな父親の下で秘書生活を始め、政界に入った。
安倍氏の母方の祖父・岸信介元首相(1987年死去)は「日本の実質的な独立」「アメリカとの同盟強化」を実現する日米新安保条約を結んだ。日本の再武装を意味する改憲を「一生の課題」とした。安倍氏の改憲公約は母方の祖父から引き継いだものだ。岸氏も「日米同盟」という大きな枠組みから韓日関係正常化への道を築いた。岸氏は戦後、A級戦犯の容疑者として獄中生活を送ったことがある。しかし、衆議院議員を務めた父方の祖父・安倍寛氏は、太平洋戦争中に東条英機内閣に抵抗し、「不純分子」という烙印(らくいん)を押された清廉なハト派の政治家だった。
安倍氏が「政治の源流」と考えているのは、代表的なタカ派政治家だった母方の祖父・岸氏のほうだ。歴史問題については耳障りな発言ばかりしているが、安保問題については「アメリカとの同盟を軸に韓国を引き込むべき」という基本的な見解を持っている。中国と違い、韓国について「理念や価値感が同じ国」と考え、精神的な親近感も折に触れ顔をのぞかせる。ある自民党議員は「安倍新首相は慌てずに韓国の次期政権を待つだろう」と予想している。
東京=鮮于鉦(ソンウ・ジョン)特派員
- 安倍新総裁、憲法改正で「強い日本」アピール 2006/09/21 10:50:10
- 韓流ファンの安倍氏夫人、韓日関係に好材料? 2006/09/21 11:44:28
- 中国政府、海洋警察官殺害事件に遺憾の意 2008/09/30 10:16:00
- 韓ロ首脳会談:プーチン首相、会談に50分遅刻 2008/09/30 09:20:08
- メラミン騒動でかすんだ中国の宇宙遊泳 2008/09/29 10:38:08
- 「ロシアと西側諸国の“新たな冷戦”はあり得ない」 2008/09/29 10:21:23
- 米大統領選:テレビ討論で「コリア」に13回言及 2008/09/29 08:39:25
- 麻生内閣、発足直後から逆風 2008/09/29 07:57:02
- ブッシュ大統領「金総書記ら独裁者の末路は哀れだ」 2008/09/27 15:04:27
- 「同盟国が攻撃されたら日本も自動的に介入を」 2008/09/27 08:05:34
- 中国が「神舟7号」打ち上げ、宇宙遊泳に初挑戦(下) 2008/09/26 11:24:39
- 中国が「神舟7号」打ち上げ、宇宙遊泳に初挑戦(上) 2008/09/26 11:23:51