▽4病院にポート開設
山口県は二十九日、医師や看護師が搭乗して救急現場に駆け付けるヘリコプター「ドクターヘリ」の導入について、二〇一〇年度中の運用開始を目指す考えを初めて明らかにした。県議会の代表質問で二井関成知事が答えた。
県地域医療推進室によると、山口大医学部付属病院(宇部市)、国立病院機構岩国(岩国市)と関門(下関市)の両医療センター、県立総合医療センター(防府市)の四カ所にヘリポートを開設。うち一カ所を基地病院としてヘリ一機を常駐させ、救急患者を最寄りのヘリポートに運ぶ。
県は〇三年九月以降、消防防災ヘリ「きらら」を、ドクターヘリの代わりに活用。しかし、待機場所と病院が離れているなどで、利用は年間数件にとどまっている。一方で、救急車での搬送には一時間以上かかるケースもあり、効率的なヘリ運用を求める声が強まっていた。
機体の確保や整備、搭乗する救急専門医の人件費などを含め、年間経費は一億七千万円程度と試算。うち半分を国に負担してもらう予定だ。県は十月にも、医療や消防関係者による検討委員会を設け、ドクターヘリ導入に向けて詳細を詰める。(桑田勇樹)
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