▽県「即答できない」
分娩(ぶんべん)扱いが五年ぶりに復活したものの、赤字が見込まれている公立邑智病院(島根県邑南町中野)産婦人科の維持に向け、川本、美郷、邑南の邑智郡三町は二十九日、県に財政支援を求める要望をした。
三町長が県庁を訪問。石橋良治邑南町長が「常勤医師がいない五年間に救急車内での分娩が二件もあっただけに、地元も再開を大変、喜んでいる。医療機器の整備も含め支援をお願いしたい」と、山根成二健康福祉部長に要望書を手渡した。山根部長は「県財政も厳しく即答できない」と述べ、来年度に向けて国補助金の要件緩和を求めていく考えを示した。
県は同病院の産婦人科開設を主導した経緯もあり、開設当初の一九九八年度から昨年度まで年間千六百〜百五十万円を単独で補助してきた。しかし、二〇〇三年夏から続いた分娩中止や県の財政難などで補助制度は昨年度限りで廃止された。
常勤医師の赴任で今年八月から分娩扱いが再開。三町の出生数などから採算ライン未満の年間百人程度で、数千万円の赤字が見込まれるため、補助金の復活要望に踏み切った。(馬場洋太)
【写真説明】山根部長(左端)に産婦人科運営への財政支援を要望する邑智郡の3町長
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