静岡県に5400万円賠償命令 病院搬送中の容疑者死亡殺人未遂容疑で静岡県警沼津署に逮捕された画家の男性=当時(53)=が病院に搬送中、口にタオルを詰められ窒息死したのは、付き添った署員らの対応に過失があったとして、遺族が県に計約9000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、静岡地裁沼津支部は30日、県に約5400万円の支払いを命じた。 判決理由で千徳輝夫裁判長は「窒息の危険性があるのに、呼吸や脈拍を確認せず漫然と体を制圧し続けた」と述べ、注意義務を怠った署員らの過失によって、男性が窒息死したと認めた。 判決などによると、男性は03年8月26日、静岡県長泉町で家族を刃物で刺したとして沼津署に殺人未遂の現行犯で逮捕された。取り調べに応じずに舌をかむそぶりをするなど、精神状態が不安定と判断され、沼津市内の精神科の病院に搬送されることになり、当時の署員が同行した。 その際、署員が自殺防止のため男性の口に入れられたタオルを警棒の先で押さえ続けたため、男性は窒息死した。
【共同通信】
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