「宇宙大国の夢」を抱く日本
入札を通じ韓国進出を狙う
- 愛知県名古屋市にある三菱重工業航空宇宙システム製作所で作られる衛星打ち上げ用H-2Aロケット。三菱は2011年に打ち上げが予定されている韓国の多目的実用衛星「アリラン3号」発射への国際入札で、ロシアの企業と競争している。/写真=辛貞録(シン・ジョンロク)特派員(名古屋)
日本第4の都市にして重化学工業の中心地である名古屋市。名古屋の中心部からバスで20分ほど行けば、日本を宇宙産業強国に押し上げている三菱重工業の航空宇宙システム製作所が現れる。太平洋に開けた伊勢湾の奥、名古屋港の一角を占めている。そこは、1921年に日本初の国産戦闘機を作り出して以降、第2次大戦終結まで日本海軍航空隊の主力戦闘機「零戦」など戦闘機ばかり1万8000機を生産した、まさにその場所だ。当時戦闘機を作っていた大江工場は依然としてそのままであり、そこへ飛島工場など幾つかの工場が新たに加わり、宇宙産業団地を形成していた。
三菱はここで、昨年9月に日本初の月探査衛星「かぐや」を打ち上げたH-2Aロケットを作り出した。2001年にH-2Aの初発射に成功し、その後地球の静止軌道である3万6000キロ上空におよそ6トンの物体を打ち上げることができる大型ロケット「H-2A増強型」に改良した。1975年にN-1、81年にN-2、86年にH-1と40年に渡り続いてきたロケット開発が成し遂げた成果だ。日本は、このロケットを用いて現在四つの情報収集衛星を打ち上げており、韓半島(朝鮮半島)など周辺を監視している。
三菱は今月11日、東京駐在の韓国特派員団に、この工場を初めて公開した。三菱の関係者は、宇宙を目指す日本の執念がここで止まるのではないのだ、と強調した。現在開発中のH-2Bが完成すれば、日本独自に宇宙ステーションとの間を往復できるようになるという。
ロケット工場を公開した三菱だが、しかしその開放空間は2階の廊下に沿って設けられた「見学路」に制限されていた。今回のイベントには、日本の防衛省も深い関心を示ししていることが分かっている。
工場公開の背景は、三菱が韓国市場への進出を狙っているためだ。ロケット(衛星発射体)生産施設を維持するためには、1年に少なくとも3基程度を打ち上げなければならないが、日本国内だけの需要では2基分にしかならないからだ。そこで三菱は、2011年に打ち上げが予定されている韓国の多目的実用衛星「アリラン3号」発射サービスの国際入札に、ロシアの企業と共に参加した。総事業費は200億ウォン(約21億円)程度だということが分かっている。
ロケット開発事業は、三菱一社の次元にとどまらず、日本政府の指導の下に行われている。同社航空宇宙事業本部宇宙機器部の浅田正一郎部長は、発射事業の受注に成功した場合には韓国への技術移転に協力する考えがあるかという質問に対し、「政府資金で開発した技術なので、自分たちだけで答えられる問題ではない」とだけ答えた。
名古屋=辛貞録(シン・ジョンロク)特派員
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