MSN Japanのニュースサイトへようこそ。ここはニュース記事全文ページです。

【ゆうゆうLife】医療 問われるお産の質 産科医療補償制度(中) (3/3ページ)

2008.9.30 07:52
このニュースのトピックス病気・医療
出産予定の妊婦に制度の説明をする助産所スタッフh=東京都国分寺市出産予定の妊婦に制度の説明をする助産所スタッフh=東京都国分寺市

 こうした現場の疑問に対して、同機構では「これまで通りの記録の範囲内で審査や分析を行う」としており、また、日本産婦人科医会の石渡勇常務理事は「もともと高度な医療機能を持たない診療所や助産所に、今以上の機能は求められない。自然分娩を求める妊婦は今後、減らないので、機構で審査するメンバーには、助産師会にも参加を求めている」と理解を求める。

 同機構による分娩機関への協力要請の内容や、それに伴う現場の負担は「やってみなければ分からない」(日本産婦人科医会)のが実情。

 都内にある有床助産所の半数が集中する多摩地区で、助産所と連携するファウンズ産婦人科病院の土屋清志院長は「これまで詳細なデータを取っていなかった助産所にとっては、新制度でデータを求められるのは抵抗感があるかもしれない」と理解を示す。しかし、「分娩場所の不足を解消し、事故を減らすには、病院と診療所、助産所が話し合える共通のデータが必要だ。現場の不安は分かるが、試行錯誤しながら、同じテーブルで事故の原因分析をするなかで、お互いを理解できれば、連携を進める一助となる」とデータの必要性を訴える。

 また、医療事故で2人の子を亡くし、新制度の運営組織準備委員を務める勝村久司さんは「遺族としては何より、産科医療の向上を求めたいが、そのために過剰な医療介入をすべきではない。分娩機関がそれぞれの特徴を持ち、妊婦の選択肢を維持することも重要だ。制度の運営にあたっては、うまくバランスがとれるように注視していきたい」と話している。

このニュースの写真

出産予定の妊婦に制度の説明をする助産所スタッフh=東京都国分寺市
PR
PR

PR

イザ!SANSPO.COMZAKZAKFuji Sankei BusinessiSANKEI EXPRESS
Copyright 2008 The Sankei Shimbun & Sankei Digital
このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。