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【ゆうゆうLife】医療 問われるお産の質 産科医療補償制度(中) (1/3ページ)
このニュースのトピックス:病気・医療
■データ管理に悩む助産所
産科医療補償制度では、先天性などを除く脳性まひ児に補償が行われますが、補償の申請には分娩(ぶんべん)記録を提出しなくてはなりません。記録は、厚生労働省所管の第三者機関「日本医療機能評価機構」の委員会が原因究明と再発防止の調査も行います。しかし、こうした記録提出への抵抗感から、分娩の扱いをやめることを検討しているところもあります。(北村理)
「実は、この制度を機に、分娩を取り扱うのをやめようかと考え始めています」。神奈川県の産婦人科診療所の院長はこう打ち明けた。
この院長は、産科医不足にあえぐ神奈川県で、「少しでもお産を引き受けよう」と、助産師を多く雇い、助産師主体の分娩を続けてきた。助産師の活用は、産科医不足の対策として、厚労省も推進している。
ただ、助産所での分娩は、妊婦が自由な姿勢でお産するのを介助する。モニター装着などは、「自然な出産を妨げる」と敬遠されがちだ。
しかし、新制度では、分娩機関に分娩経過のデータ提出が求められる。脳性まひになった新生児が補償対象になるかどうか審査し、同時に事故の原因分析を行い、再発防止につなげるためだ。