小中学校に設置した小型風車が計画通りに発電できなかったとして、茨城県つくば市が基本計画を策定した早稲田大と風車を製造したイーアンドイー(大阪市)に約2億9000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が29日、東京地裁であった。荒井勉裁判長は「大学側は期待された発電量が達成できないと認識できたのに、電力が得られると報告した」と述べ、早大に約2億900万円の賠償を命じた。早大は同日、控訴した。
判決理由で同裁判長は、契約書では風車の直径は5メートルだったのに早大側は直径15メートルで試算した過大な発電量を提示したうえ、消費電力が発電量を上回ることを説明しなかったと指摘。「故意か過失により十分な説明をしなかった」と賠償責任を認めた。イー社に対する請求は棄却した。
「慎重に検討すべきだったのに大学の調査結果をうのみにした」として市側の過失を一部認め、請求額から3割減額した。(07:00)